またソ・イングクは、「私たちが表現しようとしたチェ・イジェは内向的で臆病だ。序盤はそのような部分を浮き彫りにしたいと考えた。持っていたもの全てを失った時の絶望感と不幸さだけにフォーカスできる人物になってこそ、その選択がそれなりに…このテーマに共感できるという表現が難しいが、そうしてこそ『それだからこんな選択をしたんだ』という思いにさせることができると思った」と伝えた。
12回の死を迎えるという設定に難しさはなかっただろうか。ソ・イングクは「最も難しかった点は、首をあまりにも後ろに傾けるので首がしょっちゅう痛くなったということだ。それ以外は、そんなに大変だとは思わなかった(笑)」と話して注目された。
ソ・イングクはその理由について「別のイジェたちが12回の死を先に撮影した。死んだ時の苦痛と最後のポーズがはっきりしていて、監督がそれを見せてくれた。例えば、チェ・シウォン先輩がしたシーンだと、叫びながら悲惨に死ぬ。それをそのまま受けた状態で目が覚めた。死の苦痛と状況をそのまま受けので悩みなどは少なかった。それで楽だったし、おもしろかった」と話した。
またソ・イングクは「監督が撮影のスケジュールをわざわざそうしたかどうかは分からないが、チェ・イジェというキャラクターを先に撮影し、そのソースを別のイジェたちに見せながらディレクトした。その後、隠れ家に行って12人のイジェたちの撮影を見せながら、私と交流をしながら撮影するというスケジュールで移動した。それで12人のチェ・イジェたちの姿が違うにもかかわらず、自然に異質感なく感じられたと思う」と付け加えた。
ソ・イングクは最も多く呼吸を合わせた「死」役のパク・ソダムについて「むしろソダムさんにありがたい。彼女の話だから気を使う部分はあるが、撮影するときにコンディションの不良が多少起きるかもしれないと予め了解を求めた。監督と私は『全スタッフが全部あなたの味方なので心配しないでほしい。絶対に申し訳ないと思わず、そんな状況があれば話してくれさえしたらいい」と話した。
パク・ソダムは2021年に甲状腺乳頭がんと診断されて大きな手術をした。パク・ソダムは制作発表会で回復中に「もうすぐ死にます」のオファーを受けたと伝えた。また、彼女は撮影中にコンディションの不調で困難なこともあったと告白した。それでもソ・イングクの配慮で撮影を無事終えたとも付け加えた。
ソ・イングクは「撮影に入ってから(パク・ソダムが大変であるとは)一度も感じなかった。(後で)現場で本人がちょっと大変な時もあったと話したが、私が知らないほどだった。それで申し訳ないほどにソダムさんは全スタッフ、全俳優たちに配慮した。私がした配慮は、仲間としていろいろ合わせる上で不便でない程度のものだった。むしろ配慮されたと思う」と感謝した。
「インタビュー②」に続く