韓国時代劇の傑作を紹介するシリーズの3回目。『宮廷女官 チャングムの誓い』は厳しい境遇に負けないひたむきな生き方を描いており、『女人天下』は宮中のウラの権力闘争を描いた長編時代劇だ。 『宮廷女官 チャングムの誓い』 10代王・燕山君(ヨンサングン)の暴政によって両親を失ったチャングムは、かつて母が目…
仁宗(インジョン)が重病に陥ったとき、継母の文定(ムンジョン)王后は、他家に嫁いだ娘の家に行きたいと言って重臣たちを混乱させた。とにかく、反対意見がとても多かった。 文定王后の狙いとは? 重臣の一人が文定王后に言った。 「こんな時期に大妃様が出歩かれるのはいかがなものでしょうか。殿下の病状がよくない…
文定(ムンジョン)王后は仁宗(インジョン)を毒殺した疑いがきわめて高い。朝鮮王朝の歴代王には「毒殺されたのではないか」という疑惑がかなりあるが、それらは噂にすぎないものも多い。しかし、仁宗の毒殺説だけは信憑(しんぴょう)性がある話として今の韓国でも広く伝えられている。 文定王后の申し出 仁宗が亡くな…
韓国時代劇の傑作を紹介するシリーズの2回目。『善徳女王』は朝鮮半島初の女王の誕生を大胆に再現しており、『王女の男』は政争に翻弄される男女の禁断の愛を描いた名作である。 『善徳女王』 古代の三国時代に新羅(シルラ)に誕生した女王の波瀾万丈の人生を描いている。ドラマの前半は主人公トンマンが、強力な力を持…
11代王の中宗(チュンジョン)の治世は38年に及んだ。歴代27人の王の中で五番目に長い在位だった。しかし、晩年は病気がちで床に臥(ふ)せっているときが多かった。そんな中宗を献身的に看病したのが長男の世子(セジャ/王の後継者)だった。 孝行息子の鑑 世子は中宗の二番目の正妻だった章敬(チャンギョン)王…
韓国時代劇の傑作を紹介するシリーズの1回目。『朱蒙(チュモン)』は、高句麗建国の始祖を描いた壮大な時代劇であり、『太王四神記』は圧倒的なスケールを持った歴史ファンタジーだ。 『朱蒙(チュモン)』 古代の朝鮮半島北部。扶余(プヨ)国の第3王子として生まれた朱蒙(チュモン)は、彼の実力を恐れた兄の計略に…
イ・サンこと正祖(チョンジョ)にとって貞純(チョンスン)王后はどういう存在か。彼女は、立場上は正祖の“祖母”にあたる女性だった。年齢はわずか7歳しか違わないのだが、それは祖父の英祖(ヨンジョ)が65歳のときに14歳の貞純王后を継妃として迎えたからだった。 正祖の判断は? 貞純王后が正祖の父の思悼世子…
写真=韓国KBS『雲が描いた月明り』公式サイトより パク・ボゴムとキム・ユジョンが主演した『雲が描いた月明り』の主人公になっていたのは、イ・ヨンという世子(セジャ)だった。このイ・ヨンは孝明世子(ヒョミョンセジャ)のことなのだが、韓国でここまで有名になったのは『雲が描いた月明り』がヒッ…
イ・サンこと正祖は即位すると、父の思悼世子(サドセジャ)を死に追いやった老論派の粛清に乗り出した。最初に標的にしたのは、洪麟漢(ホン・イナン)である。彼こそが世孫時代の正祖を何かにつけて攻撃してきた張本人だった。 亡き父の仇を取るために 正祖は、洪麟漢が母の叔父であることを考え、露骨に…
『宮廷女官 チャングムの誓い』を始めとして、多くの時代劇に登場してくる中宗(チュンジョン)。この国王は、1506年から1544年まで38年間も王位に就いていたのだが、なぜ文定(ムンジョン)王后の悪行をほったらかしにしたのだろうか。 気が弱い国王 中宗は、「棚からぼた餅」で国王になった男…