特に今年の授賞式には初めて家族全員が一緒で喜びが大きかった。受賞直後にはサッカー選手出身の息子ソン・ジュンピョンが自身のSNSに「あなた(ソン・ガンホ)を誇りに思う」という文を残した。ソン・ガンホは「娘は何度か授賞式に連れて行ったことがあるが、息子はサッカーをしてて軍隊にも行ってたので、一度も連れて行けなかったが、今回は家族全員が初めて一緒だった。最も大切な席で、最も大切な家族に愛を表現できて意味が有った」と話した。
ソン・ガンホに男優賞をもたらした「ベイビー・ブローカー」はベイビーボックス(赤ちゃんポスト)をめぐって知り合った人々の予期せぬ旅路を描く。ソン・ガンホは劇中、ベイビーボックスに置かれた赤ちゃんウソンを育ててくれる親を探そうとするサンヒョンを演じた。彼は善と悪が微妙に交差する人物を繊細に表現し、生命の大切さを語る映画のメッセージを鮮やかに支える。是枝裕和監督が「ソン・ガンホがこの映画の出発点だった」「ポン・ジュノ監督の言葉通り、現場ではソン・ガンホのおかげで安心して撮影できた」というほど、彼に対する信頼は大きかった。ソン・ガンホは「日本人監督なのでニュアンスのようなディテールが伝わらないかもしれないので、そうした部分だけを話しただけなのに、是枝監督が何度も『助けになった』と言ってくれて恥ずかしい」とし、「是枝監督は巨匠なのに偉ぶらない素晴らしい人。おかげでとても楽しく幸せに作業できた」と是枝監督に対する尊敬を表した。
ソン・ガンホのスクリーン復帰は「パラサイト 半地下の家族」以来3年ぶりだ。今年は「ベイビー・ブローカー」だけでなく、来る8月には「非常宣言」、そのあとには「1勝」の公開も控えていて、忙しい一年を送らなければならない。
ソン・ガンホは「『1勝』の公開が今年になるか来年になるかはわからないが、新型コロナのせいで『ベイビー・ブローカー』『非常宣言』『1勝』を次々と披露することになって、期待と共に負担にもなる。これまで韓国映画もそうだし、映画産業もとても大変だったが、みんながうまくいくよう願う気持ち」と話した。彼は映画館に戻ってきた観客を歓迎しながら「いつも韓国映画に関心を持って、励まし、叱責してくれるファンに、受賞の栄光を全て捧げたい。今後もずっと韓国映画への声援をお願いする」と要請した。
「ベイビー・ブローカー」は韓国で8日に公開された。
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