祝・カンヌ国際映画祭 2冠!
(最優秀男優賞ソン・ガンホ、エキュメニカル審査員賞)
5月28日(現地時間)に閉幕した第75回カンヌ国際映画祭で、主演のソン・ガンホに韓国人俳優として初となる最優秀男優賞をもたらし、「人間の内面を豊かに描いた」作品に与えられるエキュメニカル審査員賞も受賞した是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』。6月8日(水)には韓国で公開初日を迎え、初登場1位を記録した。カンヌからプロモーションのために韓国に渡っていた是枝監督が6月13日(月)に日本に帰国し、同日に都内で凱旋記者会見が行われた。
空港から会見場に直行となった是枝監督。まずはカンヌでのソン・ガンホの最優秀男優賞の受賞について問われると「ソン・ガンホの名前が呼ばれた瞬間に、『この作品にとって最高のゴールなんだな』と思いました。その夜にパク・チャヌク(『Decision to Leave』で監督賞受賞)のチームと合同でお祝いをしたんですが、みんな幸せな夜でした。役者が褒められるのが一番嬉しいんですよね。柳楽(優弥/是枝監督の『誰も知らない』で最優秀男優賞を受賞)くんがもらったときは、柳楽くんはもう日本に帰っていて、僕だけしかいなかったので、受賞した役者さんとあの場所で抱き合って、称え合って…というのは初めてだったので、特別な夜になりました」と喜びを口にする。
一方で「壇上でも話されていたように『みんなで獲った賞だから』と本当に謙虚に話されていたし、僕にとっても『僕の演出で…』というよりは、(過去に出演した)パク・チャヌクさん、ポン・ジュノさん、イ・チャンドンさん…どの監督で獲ってもおかしくなかったと思うので、むしろ申し訳ないというか、僕が監督したタイミングで受賞というのは作品にとってはよかったですし、幸せですけど、韓国の監督にとっては『僕らのソン・ガンホ!』という思いがどこかにあるんじゃないかと思うので…(笑)」と韓国の映画人への気遣いも。
その後、カンヌから韓国へと凱旋を果たした際の様子について「空港が揺れていました。職員の人が職場を離れて付いてきちゃって『大丈夫なのかな?』ってくらい、ザワザワっとみんなが付いてきて、出口を出たところでファンの方たちが待ち構えていて…。国民的スターがカンヌの映画祭で韓国人初の男優賞を獲るというのは、オリンピックの金メダル以上なんだなというのはわかりました」と現地の熱狂について明かす。
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