「会見レポ」ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホ“日本でも異例の大ヒット!”アカデミー賞受賞「パラサイト 半地下の家族」凱旋来日記者会見開催

ソン・ガンホ:お会いできてうれしいです。ソン・ガンホです。今回の作品において東京を訪れるのは2回目となります。とてもうれしく思っています。「パラサイト」が日本の観客のみなさんにも歓迎され、興味深い映画として受け入れられたことをうれしく思います。今から約20年前は、韓国の映画が日本でも大きく紹介されていましたが、その後は韓国と日本の映画の交流というものが少なくなってしまったように思います。韓国と日本は近い国であるにもかかわらず、一時のような活発な交流が薄まった時期がありました。しかし、今回の「パラサイト」という映画を契機にして、韓国の素晴らしい監督が作る作品が、そして日本の優れた芸術家の作品が、段々と人々の愛情を受け、関心を寄せられているのではないかと思います。お互いの国の作品に関心を持ち、お互いに声援を送り合える関係がまた戻ってきて欲しいなと思います。この『パラサイト』が日本でも好評を博したように、お互いの国の文化への共感が持てればいいなと思います。

Q.「パラサイト 半地下の家族」の何がここまで多くの観客を魅了したと思いますか?
ポン・ジュノ監督:日本だけでなくイギリス、メキシコ、韓国、フランスでもとても良い反応が出ています。北米でも記録をずっと更新している最中なのですが、正直なぜこの作品がここまで受け入れられたのか私自身もよくわからないです。この映画は、色んな国で熱い反応を得ることを目標にして作ったわけではありません。いつも通り、韓国の俳優と一緒に作って、私たちの時代の普遍的なテーマを描いただけなので、今の状況はうれしくもあるのですが、私自身とても不思議に思っています。プロモーションの過程で、様々な国を回って耳にした反応をまとめると、やはり“貧富の格差”を描いたことが同時代的なテーマだという反応が多く見受けられましたが、私は少し違うのではないかなと思います。なぜなら“貧富の格差”というのは観る人にとっては、ある意味居心地の悪い部分もあるかもしれません。なので、そういった理由ではなく、それ以上にみなさんに訴えかけた部分というのは“予測不能なストーリー展開”、特に後半のストーリー展開に熱い反応があったように感じました。カンヌ映画祭では、後半のストーリー展開に関するネタバレはしないようにとお願いをしたのですが、やはり後半のストーリー展開が新鮮だったという声が多かったように思います。さらに、俳優による魅力が大きかったのではないかと思います。俳優が表現している感情や表現、これが万国共通語としてみなさんに届いたのではないかと思います。俳優たちが醸し出す魅力が訴える力が大きかったと思います。特に、アメリカでは俳優組合賞もいただき、映画の中の10人の素晴らしいアンサンブルがアメリカをはじめ多くの国に熱く訴えかけたのではないかと思います。

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  • 2020.02.24