写真=植村誠 朝鮮王朝の27人の国王の中で、10代王の燕山君(ヨンサングン)は暴君として評判が最悪です。こういう国王がなぜ即位に至ったのか……それはまさに歴史の「落とし穴」と言えるでしょう。 私的感情に左右された「王位の継承」 燕山君(ヨンサングン)は、小さい頃から性格が粗暴で勉強嫌いの問題児でした…
朝鮮王朝後期の名君として名声を博した正祖(チョンジョ)。時代劇『イ・サン』の主人公としてもよく知られている。彼は優秀な国王であっただけでなく、漢方薬についても医者ほどに詳しかった。 医官に薬の指示を出す正祖 1800年6月、48歳の正祖は高熱を発した。 からだに大きな腫れ物もできていた。 一旦は病床…
518年間も続いた朝鮮王朝には、27人の国王がいた。今も残る名前は「諡(おくりな)」である。つまり、死後に贈られた尊称であり、本人が生きているときは知らなかった名前だ。それでは、その諡はどのように付けられたのだろうか。 国王の名は3つに分類される 1392年に朝鮮王朝を建国した李成桂(イ・ソンゲ)は…
傑作『赤い袖先』は、メインのストーリーの他に、もう一つの重要な視点を持っていた。それは何かと言うと、王宮で奉職する女官たちの人生が克明に描かれていたことだ。特に、年齢を重ねていった女官の生きざまについても説得力がある描き方をしていた。 女官を描いた重厚な歴史ドラマ 今まで、韓国時代劇では王宮で働く女…
朝鮮王朝の法律に沿って国王が決定したように、王妃もまた厳格な法を適用されて決められていた。それだけに、王妃を廃妃にするのは容易ではないのだが、実際には多くの王妃が廃妃になっている。 同情を集めた廃妃 廃妃となった主な王妃を見ていこう。 不運なのは、夫がクーデターで王位を追われたことで廃妃になったケー…
「善徳(ソンドク)」は死後に付けられた諡(おくりな)である。新羅(シルラ)の善徳女王(?~647年)の本来の名は徳曼(トンマン)と言う。生年は定かでない。新羅26代王の真平(チンピョン)王の長女として生まれた。 632年に即位 善徳女王は小さいころから聡明だった。 それを物語る逸話がある。彼女がまだ…
夫を大出世させたということで日本では「山内一豊の妻」がよく知られていますが、韓国にも教科書に載るほど有名な話が古代の三国時代にあります。それが、温達(オンダル)と平岡姫(ピョンガンヒ)の夫婦物語です。 まさか王女が…… 高句麗(コグリョ)の25代・平岡王(ピョンガンワン/在位は559~…
朱蒙(チュモン/紀元前58年~紀元前19年)は現在の韓国でも大変な尊敬を集めているが、その人物像は神秘に包まれている。なにしろ、高句麗(コグリョ)の建国神話で朱蒙は、柳花(ユファ)という女性が産んだ卵の殻を破って出てきたことになっているからだ。 弓の名人 卵から生まれた、という誕生秘話は、高句麗の後…
明聖(ミョンソン)王后は17歳のときに夫の顕宗(ヒョンジョン)の即位によって王妃となり、世継ぎとなる長男を19歳で出産した。その長男が19代王・粛宗(スクチョン)になったのは1674年で、明聖王后は32歳だった。 高官たちから抗議を受けた 意外だが、朝鮮王朝の王妃の中で明聖王后のように「世子嬪→王妃…
ドラマ『龍の涙』で太宗を演じたユ・ドングン 朝鮮王朝3代王・太宗(テジョン)は、初代王・太祖(テジョ)の五男として生まれたが、後継者に指名されなかったことで「第一次王子の乱」を起こした。その後、彼はどんな行動を取ったのか。 「第二次王子の乱」勃発 芳遠(バンウォン)は、父…