カラム:ま、それで稽古のとき、ヘギ役の例として、こいつが来て、みんなの前でやって見せたんですけど、稽古なのに、あんなに泣いてね。
インジュン:ハハハ。けっこう本意気でやったんですよ。
カラム:そこでまた僕、思ったんですよ。“そこまでする必要があるかい?”って。
インジュン:演出の中野(智行)さんが思っているヘギに一番近いのが、僕が演じるヘギらしいんですよ。もちろん、キャラクターについて、正解はないんだけど、「みんなに1回は見せてほしい」と。そこまで言われたのに、手は抜けないじゃないですか。結局、キュジョン先輩からも、ドンヒョンさん、ヨンミンからも「見てよかったです」って言われたので、誰かのために役に立ったなと思って。いままでお芝居を頑張ってきて、よかったなって僕は思いました。
Q.インジュンさんは制作発表会で、メンバーとのお芝居は恥ずかしいと言っていたんですけど。
カラム:そんなこと言ってたんだ、お前。恥ずかしいの? いまさら。
インジュン:真面目に役としてお芝居をするのは、初めましての人がわりとラクなんですよ。お互い知らないから。どういうお芝居でくるか、どんな感じで俺の芝居を受け取るか、どんどん分かっていくじゃないですか。でも、お芝居のスタイル、性格が分かっていると、それが見えるんですよ。カング+カラムが。だから、恥ずかしいと思っちゃって。稽古のときは上手くいったんですけど、普段の相手役より、ちょっと恥ずかしさもあるなって。
カラム:いや~、僕は恥ずかしくなかったですね~。(インジュンを)ヘギだと思って、真剣に稽古しましたけど。こいつ、恥ずかしいと? なるほどね~。
インジュン:若干恥ずかしかったです(笑)。
カラム:でも、事故がなかったら、セーフでしょ。
インジュン:まあね。事務所の社長は「お芝居とか日本語的には安心しているけど、君たちのアドリブ、大丈夫なのか?」って心配はしているけど。ファンの方からしたら、2人が同じステージに立つこと、2時間向き合ってお芝居して、歌を歌うこと自体が、何年も待っていたことじゃないですか。それこそ、スペシャルってことで、カラムと僕だからできるお芝居、アドリブを見せたい。まさに、ファンの皆さんのために、準備したステージじゃないかなって。
カラム:毎回台本通りに、正しく演じるインジュン君を今回、いろんな意味で壊したい。
インジュン:僕は台本通りにお芝居する派なんですよ。
カラム:一番嫌なんですよね~。何かに閉じ込められている気がして。
インジュン:僕はセリフも自分の言い方に変えない方なんですよ。
カラム:芝居している人も人間だから、その日によって機嫌も良かったり、悪かったりするじゃないですか。
インジュン:だから、感情は変えるけど、台本に書かれている通りが好きなんですよ。例えば、台本に「?」って書いてあったら、その「?」の理由は絶対にあると。その「?」に自分の感情を持っていくべきだと。そういうお芝居が好きなんですよ。
カラム:だって、僕、台本をもらったら、一番先にやる作業が「…」、「!」、「?」とかを全部消すことなんですよ。それに騙されないように。それがなんか、こっちに来なさいって合図だと思っているから、それが嫌で。
インジュン:ま、いろんなスタイルがあります。
カラム:それで、めちゃめちゃ怒られたりもするんですけど(笑)。「なんで勝手にそうするんだ!」って。
インジュン:韓国も日本も、こうやって2パターンに分かれていると思うんですよ。僕、2018年の日本のドラマ、映画はほぼ全部見ているんですけど、あの人はカラムみたいに演じているな、あの人は僕のスタイルに近いなってこともチェックしながら見ていましたから。楽しいんですよ、他の人のお芝居を見るのが。
(7ページに続く)