イ・ジョンソクは、シムドク役のシン・ヘソンとのメロシーンでは憂愁に満ちたまなざしで死をも辞さない愛の深みをそのごとく視聴者に伝えた。わずか3話での早い展開だったが、イ・ジョンソクが描き出したキム・ウジンの細密な感情の変化は見る人を十分に劇に引き込んだ。また夢を抑圧されて自身を表現するのに躊躇していたウジンが、シムドクに会って再びペンを取って愛という感情を表出するようになるという劇的なキャラクター変化は、イ・ジョンソクの流麗な演技力で説得力を得た。
これに中低音の声とイ・ジョンソク特有のセリフ伝達力は、キム・ウジンの詩を今の時代を生きる大衆の前に紹介するきっかけにもなった。美しいミ設定の中で彼の声に乗って流れる哀しく切ないナレーションは視聴者に聞く喜びを、イ・ジョンソク本然の秀麗なビジュアルは見る楽しみを与えた。
特に、演技力とスター性を兼ね備えたイ・ジョンソクの無報酬での出演は、一幕物に対する大衆の関心を引き出して「死の賛美」の意味を倍増させた。デビュー初期、「ハイキックシリーズ」でハイティーンスターに浮上した後、多くのラブコールを後にしてドラマスペシャル「わたしが一番きれいだったとき」に出演した彼は、視聴率と無関係に素材と展開の多様性を試みる一幕物に対して変わらない関心を持ってきた。潜在力を持った新しい製作者と俳優を発掘するために一幕物が活性化しなければならないという点に共感したからだという。
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