<W解説>韓国で大学入試、一般人もアイドルもこぞって受験する時代は過去の話?

作品はかなり誇張された表現が使われてはいるものの、韓国の熾烈(しれつ)な受験事情をうかがい知ることができる。また、作品では「SKY」が高級住宅街の名前として登場するが、受験界で「SKY」は韓国で名門大学として認知されているソウル大学、コリョ(高麗)大学、ヨンセ(延世)大学のアルファベットの頭文字を取った表現だ。

韓国の受験において修能はその後の人生を大きく左右するといっても過言ではない。国公私立を問わず、大部分の4年制大学がこの試験を必須としており、大学は修能の成績と内申書、2次試験と合わせて合否を判定するが、修能が最大の比重を占める。「大学受験=修能」という図式が確立されている。

今年の修能も、一般の受験生に加え、K-POPアイドルたちが多数試験に挑んだ。学歴偏重の雰囲気は芸能界も例外ではなく、韓国は大卒の芸能人がとても多い。しかし、近年、人気アイドルたちにとって受験は選択の一つに過ぎなくなってきているとの指摘が出ている。スポーツソウルは「依然として大学進学のために試験場に向かうアイドルもいるが、数年前と現在とでは、確実に変化が起きている」と伝えた。同紙は「受験するアイドル、しないアイドル」を紹介。9人組ガールズグループ「Kep1er」のヨンウンとヒュニンバヒエ、2020年に結成の女性アイドルグループ「Weeekly」のイ・ジェヒらがこの日、試験に臨んだことを伝えた。一方、同紙は「大学生活よりも、本業に集中するアイドルが増えている」とした上で、5人組女性アイドルグループ「NewJeans」のミンジや、6人組女性アイドルグループ「LIGHTSUM」のユジョン、ジュヒョンらが試験を受けなかったとし、「彼女たちは当分、アイドル活動に重きを置く計画だ」と伝えた。

本業に集中するアイドルが増えている理由について、K-POP関係者は同紙の取材に「過去に比べて学閥に対する先入観がぼやけ、K-POPの地位も高まっただけに、活動適齢期に国内外で認知度を高める方がより有利だと判断するアイドルが増えた」との見方を示した。

WOW!Korea提供

2022.11.21