韓国で17日、日本の大学入学共通テストにあたる「大学修学能力試験」(修能)が行われ、全国で約45万人が受験した。
コロナ禍での3回目の実施で、今年も感染が確認された受験生のための専用の会場が設けられた。この日ばかりは受験生が優先され、さまざまな機関が協力。官公庁や一部企業は出勤時間を遅らせ、ソウルの公共交通機関は地下鉄やバスを増便する対応を取った。また、各地の空港では、リスニングの試験中、航空機の離発着が禁止された。ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領もSNSで「全力で皆さんを応援します。ファイト!」とエールを送った。
今年も、試験会場を間違えるなどして遅刻しそうな受験生をパトカーなどが送り届ける光景が見られた。韓国ではカンニング防止のため、試験会場が前日に知らされることから、場所を間違えるなどのトラブルが起きやすい。また、今年もコロナに感染した受験生が試験を受けられるよう、感染者専用の試験場が設けられたほか、入院治療者は病院で試験を受けた。当日に感染症状が確認された受験生も、一般の試験場に別途設けられた試験室で受験した。
一方、コロナ禍前に見られた、後輩らが試験会場前で試験に臨む先輩を激励するおなじみの光景は今年も鳴りを潜めた。今年はウィズコロナを迎え、当初は3年ぶりに応援が解禁される見込みだったが、先月にソウルの繁華街・イテウォン(梨泰院)で起きた雑踏事故の影響から、安全対策として今年も禁止となった。
韓国は言わずと知れた超学歴社会。親の教育熱もかなり高い。そんな韓国の受験事情はかつてドラマでも描かれた。2018~2019年に韓国で放送された「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」は、富裕層が住む高級住宅街「SKYキャッスル」を舞台に、あらゆる手段を使って子供を有名大学の医学部に入学させようとする親たちの姿が描かれ、高視聴率を記録した。
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