韓国時代劇のドラマ『イ・サン』や映画『王の涙-イ・サンの決断-』の主人公として有名な正祖(チョンジョ)。王になる前から何度も命の危機にさらされた彼は、どのような人生を歩んだのだろうか。その背景を見てみよう。 朝鮮王朝22代王・正祖の肖像画 幼少時に受けたトラウマ 21代王・英祖(ヨンジョ)の息子であ…
朝鮮王朝27人の王の中で最悪の暴君と言われる燕山君(ヨンサングン)は、クーデターに王位を追われて、異母弟の晋城大君(チンソンデグン)が11代王・中宗(チュンジョン)として即位する。しかし、臣下たちに祭り上げられた王は最愛の妻との別れを迎えることになるのだが……。まず、中宗の人物像を見てみよう。 生没…
大人気となった韓国時代劇の主人公として有名になったファン・ジニ(黄真伊)。その人生は謎に包まれていた。なにしろ、生まれた年と亡くなった年がわからないほどなのだ。果たして、どんな人生を歩んだのだろうか。 美貌と才能の持ち主 妓生(キーセン)とは高麗時代初期に富裕層が持つ奴婢として誕生した…
朝鮮王朝において医官の地位は、中人(チュンイン)という身分でさして高くなかった。しかし、腕がいいと評判の者は、王族の主治医として召し抱えられることもあった。王族の主治医になるのは魅力的だが、いいことばかりではない。万が一、王族が病で命を落としたら、その担当医は大きな責任が負わされるからだ。 医学の道…
ドラマ『王妃チャン・ノクス~宮廷の陰謀~』ではユ・ドングンが燕山君(ヨンサングン)を演じた 朝鮮王朝時代には全部で27人の王が存在した。その中に最悪の暴君と呼ばれた人物がいる。それが10代王の燕山君(ヨンサングン)だ。彼は王として即位すると様々な暴政を行ない、人々を苦しめた。果たして彼はどんなことを…
韓国時代劇の『七日の王妃』と言えば、王妃になってわずか七日で廃妃(ペビ)になってしまった端敬(タンギョン)王后を中心に描かれている。物語に深く関わってくるのは、燕山君(ヨンサングン)と中宗(チュンジョン)だ。この3人は、どのような歴史背景を持っているのか。 恨みを買った燕山君 10代王の燕山君は、史…
ドラマ『トンイ』ではチ・ジニが粛宗を演じていた 粛宗の在位期間は46年。これは、21代王・英祖(ヨンジョ)に続いて二番目に長い在位期間である。粛宗は王として、生活水準を向上させるための功績を多く残しているのだが……。 派閥党争の激しかった時代 粛宗は、朝鮮王朝18代王・顕宗(ヒョンジョン)と明聖(ミ…
1762年に米びつの中で餓死した思悼世子(サドセジャ)には10歳の息子がいて、英祖が1776年に亡くなったときに王位を継いでいます。それが22代王の正祖(チョンジョ)です。ドラマ『イ・サン』の主人公になっている王です。 写真=植村誠 「思悼世子の子なり」 正祖は24歳で王になったのですが、即位後の第…
1689年、粛宗(スクチョン)は仁顕(イニョン)王后を王宮から追放しました。「仁顕王后が質素な白いチョゴリを着て、わずかなお供を連れて実家に戻る場面」……それは様々な韓国時代劇で描かれてきました。ドラマの中で仁顕王后は「自分は罪人ですから、実家に戻っても粗末な離れで暮らします」と本当に健気なことを言…
写真=植村誠 1637年1月、侵攻してきた清に屈伏した16代王・仁祖(インジョ)は、清の皇帝の前で屈辱的な謝罪を行ないました。その代償は大きく、仁祖の3人の息子たちは人質として清に連行されました。長男の昭顕(ソヒョン)世子(セジャ)も長く清に抑留されたのです。 激怒した国王 清の人質になった昭顕世子…