王冠をかぶる資格
完全に裏切られたと失望したウンサンは、姉と大ゲンカして夜の町へ飛び出していく。そこから、彼女の人生は大きく動いていく。なぜならば、そのときにキム・タン(イ・ミンホ)と出会うからである。
このキム・タンにしても、実は大財閥・帝国グループの相続者として、誰もがうらやむ境遇にあった。背が高くてハンサムで王子のような気品を持っている。本来であれば、これほど恵まれた人はいないはずなのだが、彼も婚外子であることによって、実は大変な落とし穴にはまりそうなのだ。
そんなチャ・ウンサンとキム・タンの2人が、個性的な登場人物たちの間で、どのように夢を実現させていくのか。そこがこのドラマの一番の見どころだった。
そして、『相続者たち』の登場人物たちは、生まれながらにして「特権」を持っている者が多かった。
しかし、それゆえに「転落」の危機も抱えていた。韓国では『相続者たち』というタイトルに「王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えろ」という副題がついていたが、確かに「王冠をかぶる資格」を持っている人はいた。その中で誰が、重圧に耐えていけるのか。『相続者たち』はそれを見極めていくドラマだった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)