「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.131 「これぞ名作『応答せよ1997』」

今まで数多くの韓国ドラマを見てきたが、究極の1本を選ぶとすれば、その候補作品の1つが「応答せよ1997」だ。チョン・ウンジとソ・イングクが主演して2012年に韓国で放送されだドラマだ。

登場人物に引き込まれる

『応答せよ1997』はとにかく面白い。笑えるし、泣けるし、初恋のドキドキ感もある。物語の展開が見事で、文句なしの傑作だ。
このドラマは、釜山(プサン)の高校に通う6人の同級生たちの1997年当時を中心的に描いている。
その一方で、この高校の同窓会が2012年にソウルで開かれる。そして、1997年と2012年という2つの時代が同時進行のような形で展開されていく。高校生たちは15年後にどう変わったのか、ということが興味深く対比されているのだ。

特に、初恋の行方が気になる。
意味深なのは、2012年の同窓会の中で『今日、1組のカップルが結婚を発表する』と説明される。いろんなカップルがいるわけで、果たして誰が結婚に至るのか。そんな興味もあった。
韓国ドラマは、荒唐無稽で突拍子もないストーリーというのが面白さの秘訣でもあるが、『応答せよ1997』はどこにでも起こりうる身近な出来事がよく出ていて、荒唐無稽なところはない。でも、登場人物に多様性があって、出てくるキャラクターに引き込まれる。
テーマは“初恋”だ。初恋をめぐる男女の繊細な心の動きが細かく描写されていて、とても抒情的なストーリーになっている。

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  • 2020.09.26