「個別インタビュー」映画『デシベル』ファン・イノ監督、 キム・レウォン、イ・ジョンソク、チャウヌ(ASTRO)、イ・ミンギが共演! 「チャウヌのセリフにグッときて惚れました。本当にかっこよかったです」

キム・レウォン、イ・ジョンソク、チャウヌ(ASTRO)、イ・ミンギといった実力派俳優が集結した映画『デシベル』が、2023年11月10日より公開される。

本作はあらゆる音が脅威になるかつてない設定、臨場感溢れる爆破シーン、手に汗握るアクション、息もつかせぬ展開が観客を魅了し、韓国興行収入ランキング初登場第1位を記録。監督は2011年『恋は命がけ』で監督デビューしたファン・イノ。韓国では300万人の観客を動員し、ロマンチックコメディとホラーを融合させた新しいスタイルのジャンルを生み出した。その後もユニークな設定のストーリーで独自の演出力を発揮し、監督3作目にあたる本作では、騒音反応型爆弾という斬新な設定で“サウンドパニックアクション”を完成させた。公開に先立ち、監督のオンラインインタビューが行われ、作品への想いや撮影中のエピソードなどを語ってもらった。

本作の舞台は多くの人々が密集する大都会。公園、プール、サッカー場といった場所に、周辺の騒音がある一定のデシベルを超えると、爆発までの時間が半減して爆発する特殊な時限爆弾が設置される。音に反応して作動する爆弾のアイデアは、監督が子供のころに行ったプールや、そこで耳にした笛の音を思いだしたことをきっかけに始まった。
「私が爆発物を通して伝えたかったことは、『統制できない』ということです。統制できず、主人公がいくら走りまわっても、プールのような騒音が制御できないところに爆発物が設置されたら、それを止めることはできません。しかもその爆発物は一つだけ設置してあるわけではなく、AでいくのかBでいくのかを主人公に選ばせます。『統制できない状況でお前ならどうする?』と、爆弾魔側が主人公をもてあそんでいるわけです。その理由はたぶん主人公が統制してはならない状況を、無理やり統制してしまった過去があるからだと思ったんです。この映画は、善が悪に勝つということではなく、一人の男が堕落する姿を描いています。」。
舞台となった場所については、「物語は主人公を殺したり、人々を殺したりすることが目的ではなく、主人公を堕落させることが目的です。そういった制御しきれない状況で、『お前ならどうする?』という質問を投げかけていくもので、爆発物を置く場所はうるさい音がするような制御できない場所が必要でした。そういったことで、公園とかプール、サッカー場のような場所が浮かびました。主人公がいくらあがいてもそういった音はどうしようもないですよね。そういった状況に主人公を追い込みメンタルを崩壊させていきます。主人公を堕落させるということが目的なので、その統制できない混雑している空間が必要であり、プールや公園、サッカー場が浮かびました」と明かした。

本作は豪華なキャストが揃ったことでも話題となった。騒音反応型爆弾テロを防ぐために孤軍奮闘する元海軍副長カン・ドヨンを演じたのは、映画『江南ブルース』『最も普通の恋愛』をはじめ、作品ごとにロマンチックな雰囲気と圧倒的なカリスマ性を発揮してきたキム・レウォン。監督はキム・レウォンの背中で演じる姿に惚れ込んだという。
「カン・ドヨン役を演じたキム・レウォンさんは頼もしいリーダーでした。映画の経歴も多いですし、現場での彼のリーダーシップというか、そういった姿が実際の将校のような感じでした。カン・ドヨンというキャラクターは何もかもうまくいくヒーローというよりは、内面から崩れていく男の姿を描いているので、キム・レウォンさんを見ているとそんな姿がぴったりだなと感じました。表には出さないけど、ものすごく思慮深くて、その内面の演技力が素晴らしい俳優です。ただじっとしている姿を見ただけでも、あの人は辛いんだなと感じられますし、そう感じたから劇中ではキム・レウォンさんの後ろ姿のシーンが結構入っています。キム・レウォンさんの後ろ姿はなんだかもの悲しくてやるせない気持ちになるんです。キム・レウォンさんは上手く主人公のキャラクターを表現してくれましたし、彼自身が持つオーラもとても気に入りました」。

高IQの凶悪テロリストを演じたのは、ドラマ「ビッグマウス」や「ロマンスは別冊付録」、映画『THE WITCH/魔女 ―増殖―』などジャンルを問わない演技力で、抜群の存在感を放つ若手実力派俳優イ・ジョンソク。悲しみを背負いながら狂気に満ちたテロリストを熱演している。
「イ・ジョンソクさんは恐ろしいテロリストになり、主人公を苦しめる役を演じます。この映画の骨組みとなる部分がキム・レウォンさんとイ・ジョンソクさんとの接点です。正反対の演技をするには、イ・ジョンソクさんくらいの演技力とオーラが必要となります。イ・ジョンソクさんの肌はとても白くて、目を見ると温かいけど、少し離れて見ると冷たい印象を受ける両面性のある俳優なので、テロリストの役を演じるのに一番理想的な俳優だと思いました。そして、実際に撮影に入ってみると、性格の違う2つのキャラクターを準備して完璧に演じてくれて本当に驚きました」。

信念のある海軍潜水艦音響探知下士官チョン・テリョンを演じたのは、ドラマ「私のIDはカンナム美人」「女神降臨」で主演を務め、その漫画から飛び出してきたような美しい顔で“顔の天才”“顔面国宝”と評され日本でも絶大な人気を誇るK-POPボーイズグループ・ASTROのチャウヌ。
「映画に出てくる分量は多くないのですが、彼が持っているコアコンピタンスはすごいと思いました。劇中のすべてのことがチョン・テリョンによって起こることなので、『チョン・テリョンという人物がどんなキャラクターでなければならないのかを理解した上で演じることで、これから恐ろしい惨事が起きると観客たちを納得させなくてはいけない』というプレッシャーもあったと思います。私もチャウヌさんが持っている最大限の姿を引き出さなければならないですし、とても大変だったはずなのに、チャウヌさんはそういった部分をとても上手く演じていました。平凡で優しい姿から、恐怖からくる震えを我慢しなければならない表現。それから、上司が恐怖で倒れるシーンがあるのですが、上司に対して言うセリフが胸にグッときて、私はそのシーンで彼に惚れました。とてもかっこよかったです。本当にいい俳優で、現場の雰囲気もよく導いてくれたと思いますし、現場で彼はよく褒められていました」。
※ネタバレになるので、どんなセリフだったかは控えます。

(2ページに続く)

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2023.10.31