「ザ・グローリー」や「すべては神のために」は何故地上波で放送できないのか…激しい描写だけではない別問題とは?

 

該当の制裁条項は、2016年に改正された。NetflixやDisney+のような新生OTT業者が、韓国国内の市場に足を踏み入れる以前に作られたものだ。現行法上OTTコンテンツは、放審委が審議できない根拠はない。万が一、「ザ・グローリー」が版権を取得した地上波や、総合編成チャンネルで放送される場合には、放審委で審議を受けなければならない。

このような差に対して、審議の公平性の問題が指摘されている。ある放送界関係者は、「公平性のない審議によって、ややもすると地上波と総合編成チャンネルのコンテンツに対する競争力を低下させることもありうる」と憂慮した。


「OTTコンテンツも時代的流れに合ったアプローチが必要」

地上波・総合編成チャンネル制作者は、放審委の審議に気を遣うなら相対的にコンテンツ制作に萎縮できないと吐露する。匿名を希望したある現職地上波チャンネルのプロデューサーは、「最近ではインターネットなどが発展して、放審委の審議がもう少し厳格になっている」としながら、「地上波や総合編成チャンネルでは、番組を正しく作るべきなのにどうしても話題性の側面で差がありえる」と嘆いた。

専門家たちは、OTTコンテンツを審議の対象に引き込むより、新しい観点でのコンテンツ管理が必要だと指摘する。チョン・ドクヒョン大衆文化評論家は、「審議という概念自体が送り出されれば、誰でも皆見ることができるという、普遍的な視聴者という概念下で意味がある。だがOTTは、個人が購読料を出して選択して見るというものなので、審議を適用することは難しい」とし、「時代的流れに合ったアプローチが必要だ」と伝えた。


性急な制度の準備より、十分な時間を設けて各界の各層が深く議論しなければならない問題という助言もある。チュ・チョルファン前亜洲(アジュ)大文化コンテンツ学科教授は、「時代の流れで多くの人が共に額を突き合わせて相談しなければならない事項」としながら、「十分な時間と世論、海外動向などを勘案して政策的にアプローチしなければならない」と提言した。

WOW!Korea提供

2023.03.21