ふたつの殺人事件を解決し、劇中でシン・ハルの活躍が目立つ中、これを演じるヨンファの吸引力のある演技力が注目を集めている。シン・ハルは自身が正しいと思うことには、相手の気分や状況を考えずに言葉を吐き出す。
また、人々の中に混ざって共感して感情を分かち合うことはないが、とある状況では誰かにとって慰めとなる話をすることもある。あたたかい面があると感じる時点でもシン・ハルは本音を見せないが、見えるものが全てなのか、内面に隠された何かがあるのか気がかりになるキャラクターだ。

このように、とんでもないシン・ハルの魅力をヨンファは計算された表情と特有の口調で味わい深く表現して劇に楽しみを加えている。同時に少し明らかになったシン・ハルの姿もヨンファは異質感なく演じてキャラクターに対する魅力を高めている。より繊細で密度ある演技力で、状況によって少しずつ異なるシン・ハルの差異を生み出すこともまたひとつのキャラクターの魅力だ。