ある地方の暴力が蔓延る町で貧困にもあえぐ18歳の少年・ヨンギュ(ホン・サビン)と、彼の絶望漂う瞳にかつての自分を重ねた裏社会の男・チゴン(ソン・ジュンギ)。傷だらけのふたりが交錯した時、彼らの運命は思わぬ方向へ猛スピードで走り出す、デッドエンドの<韓国ノワール>―――。義理の妹・ハヤン(キム・ヒョンソ)を守るため、暴力事件を起こし、高校を停学になった
上、示談金まで求められたヨンギュ。18歳の若さにして、どこにも行き場がないこの世の行き止まりにぶち当たってしまう。地元の犯罪組織のリーダー・チゴンを頼らざるを得なくなり、彼のもとで犯罪に手を染めていく。
2024 年 百想芸術大賞 映画部門 新人演技賞(キム・ヒョンソ)受賞!
メイキング&コメンタリー映像では、出演者のホン・サビン、ソン・ジュンギ、キ ム・ヒョンソと、キム・チャンフン監督を含めた4名が、撮影時の印象や本作のキャラクターについて説明している。ホン・サビンは本作で⻑編初主演となるが、監督はオーディションの際「初めて会った時、⾔葉にできない独特な雰囲気があった。セリフを聞きながら、彼がヨンギュだと思った」と語る。ソン・ジュンギは、ホン・サビンのことを「元々実⼒のある舞台俳優として有名」だから知っていたという。
映画の中でも「俺のことは兄貴(ヒョン)だと思え」と兄弟のような間柄で徐々に通じ合う2⼈だが、現場でもその兄弟関係を築いたようで、激しいアクションの撮影の後などは、カットがかかるや否やソン・ジュンギはすぐにホン・サビンを抱き寄せ「痛かっただろう」とハグをする優しい兄貴の瞬間が収められている。また、ヨンギュの義妹ハヤン役を演じ、百想芸術⼤賞では新⼈演技賞を⾒事受賞したキム・ヒョンソについては、ソン・ジュンギは「いろんな⽅法で⾃分を表現するアーティスト。全てを備えた⼈」と⼤絶賛。監督も「強烈なエネルギーとタフなイメージ。常に圧倒された」と賛辞を惜しまない。そんな中ホン・サビンは「すごくファンだったので、緊張した」と主演らしからぬ微笑ましいコメントをしている。そんな新⼈離れしたキム・ヒョンソも⾆を巻いたのが、さすがはグローバルスターのソン・ジュンギだ。「おお、ヒョンソ︕と優しく⾔っていた⽅が、急に⽬つきが⼀変するので⿃肌が⽴ちました」。⼀触即発なヒリヒリした
物語とは異なり、実際にはお互いをリスペクトし合うクリエイティブな現場だったようだ。そのほかにも、傷跡の特殊メイクを施す様⼦や、撮影時の貴重な裏側をたっぷり⾒ることができる映像となってい る。映画『このろくでもない世界で』はいよいよ本⽇より公開、彼らの熱い思いが詰まった作品を是⾮劇場で堪能してみては。
7.26公開『このろくでもない世界で』メイキング映像は
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