「インタビュー」期待の新鋭ホン・サビン×ソン・ジュンギ出演、映画『このろくでもない世界で』キム・チャンフン監督オフィシャルインタビュー

<6月2日取材>

希望の対義語は本当に絶望なのか。『このろくでもない世界で』は希望の対義語があきらめと喪失だと考える人たちが描く地獄図だ。暴力が日常化した家、うんざりする故郷を離れたい少年ヨンギュ(ホン・サビン)は、漠然とオランダこそが楽園と信じて脱出を夢見る。大人の手が必要だった少年に唯一手を差し伸べるのが、地元の犯罪組織のリーダー、チゴン(ソン・ジュンギ)だ。チゴンはヨンギュに自分の幼年時代を重ねるが、彼が手を差し伸べるほどに状況はどん底に陥る。キム・チャンフン監督が自らシナリオを書いた初の長編映画『このろくでもない世界で』は監督の根気が感じられ、見慣れたようでありながら珍しい色を持つ映画だ。長い間、現場を経験したキム・チャンフン監督の意志は、制作会社サナイピクチャーズとハイストーリーとが手を結ぶことで、ついに希望の芽を出した。

-ある視点部門に招待されましたね、おめでとうございます。
A .夢なのか現実なのかよく分からない。あまりにも緊張してわくわくして慌ただしい。

-初めての長編とは思えないほど簡単には作れない素材と重い話だ。
A .シナリオを書いた当時、生計のためにアルバイトをしていたが、生きるのが本当に思い通りにいかないと思っていた時期だった。積極的に行動することで全く予想できなかった結果に陥るような例をいろいろ見ながら悩みが多かった。そのような重い考えと観点が多く反映された。シナリオを読んでサナイピクチャーズのハン・ジェドク代表がすぐ連絡をくださったが、しばらく現実的な問題で進行が難しかった。そうするうちにある日、代表が「チャンフン、私たちが死ぬ前にやりたいことをしなければならないのではないか」と話してくれたのだ。その後、ソン・ジュンギにシナリオが伝えられ、快く出演を決めて製作が現実化した。

-どん底を直接経験せずには表現しにくいディテールが生きている。
A .うれしい褒め言葉だ。基本的に厳しい環境から抜け出そうともがいているが、そうすればするほど泥沼に陥る話だ。自伝的な経験が反映されたのかとよく質問されるが、そうではない。ただ、人物の関係性、映画が言おうとするテーマ、全体的な態度や雰囲気、例えば路地の感じなどには私の経験が自然に溶け込んでいる。さらに犯罪世界が加わるとどうなるだろうかという想像を加え、複合的な形で作り出した。犯罪映画、ギャングスター、ノワールのようなジャンルが好きな趣向も反映された。

-中盤まで町の匂いまで感じられるほど生き生きとした空間を描いた。
=ミョンアン市という仮想の都市を背景にしているが、実在する空間のように感じられるのが重要だった。離れたいが去ることができないところ、一生閉じ込められているしかない監獄のようなところ、その一方で食べて寝て休む人生の基盤が与える不思議な安楽さのような感じを与えたかった。ヨンギュの家は私がうまくいかなかった時期に母親と一緒に暮らしていた家をモチーフにした。チゴンのアジトは彼らだけの王国、要塞を想像しながらデザインした。世界そのものが溜まっているという感じ、窮屈さを伝えようと努力した。

-ソン・ジュンギを除いて主演のホン・サビンも初長編で、妹ハヤン役のキム・ヒョンソも俳優としては新人だ。

A .意図したわけではないが、そうなった。(笑)経歴が重要ではなかったし、役割にどれだけよく合うのか、その感じをさらに重点的に見た。おかげで心を開いて一緒に作っていくうちに、お互いに対するある確信と信頼が生まれた。その後、私がすべきことは俳優たちが持つ想像力を最大限に広げられる舞台を作ってあげることぐらいだった。

---初の長編が実を結んだ感想は。
A .責任感、そして希望。やりたいことをやれという応援と激励を受けた気分だ。ヨンギュが夢見た「ファラン(オランダ)」のように私にも漠然としていた希望が具体化し始めた。良い縁と機会にただ感謝するだけだ。

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2024.07.14