「ソン・ジュンギ先輩が現場でたくさん奢ってくれました」
撮影現場で見せたソン・ジュンギの先輩たる責任感
ある地方の暴力が蔓延る町で貧困にもあえぐ18歳の少年・ヨンギュ(ホン・サビン)と、彼の絶望漂う瞳にかつての自分を重ねた裏社会の男・チゴン(ソン・ジュンギ)。傷だらけのふたりが交錯した時、彼らの運命は思わぬ方向へ猛スピードで走り出す―――。18歳の若さにして、どこにも行き場がないこの世のデッドエンドにぶち当たってしまったヨンギュ。地元の犯罪組織のリーダー・チゴンを頼らざるを得なかったヨンギュは、彼のもとで犯罪に手を染めていく。貧困と暴力にあふれた本作は、笑顔とは無縁のシーンが多いが、この度解禁されたメイキング写真では朗らかな表情あふれる瞬間が多数切り取られた印象的なものだった。
解禁された画像では、
傷だらけながら本編では見ることのできないリラックスした表情で談笑したり、ソン・ジュンギがホン・サビンを背後から抱き寄せるような形で仲睦まじく二人でモニターをチェックする様子などが収められている。さらに、
チゴンの手下で、チゴンに可愛がられるヨンギュに嫉妬するスンム役のチョン・ジェグァンがキスをしようとするのを、目をギュッとつむりながら待ち構えるホン・サビンというコミカルなショット。そして監督を交え3人で、ヨンギュのバイト先である中華料理店の前で和やかな雰囲気で語らっているショットなど現場の空気の良さが伺える。そして、監督・共演者共に新人揃いということで、ひときわ責任感を感じていたのか、考え事をしているような表情で、遠くを見つめるソン・ジュンギのクールなモノクロ画像が解禁された。撮影時の様子をソン・ジュンギは「
熾烈ながらも平穏だった。監督と主演俳優はいずれも新人なので、バランスを取らなければという責任感が少なからずあったが、おかげで得るものがとても多かった。本当にいい映画を作りたいという気持ちにあふれ、映画らしい映画が作られているという確信が持てた」と満足度の高い撮影だったようだ。映画初主演だったホン・サビンは、「
ソン・ジュンギ先輩がたくさん奢ってくれました。アクションシーンが終わると抱きしめてくれて、この上なく嬉しかった」と映画さながらに兄貴としてのソン・ジュンギの振る舞いを教えてくれた。キム・チャンフン監督も「
心を開いて一緒に作っていくうちに、お互いに対するある確信と信頼が生まれた」と述べるなどスタッフ、キャスト一人一人のまっすぐな想 い、姿勢が感じられる。そんな彼らの想いが結実した映画『このろくでもない世界で』是非彼らの想いを感じながら劇場で堪能してほしい。
ソン・ジュンギが脚本に惚れ込み、新境地を開拓!
裏社会で生きる孤独な男を演じ、圧倒的な存在感を放つ
社会格差の闇を描き続ける韓国映画界から新たな才能が発掘された。本作が初長編作品となる監督・脚本のキム・チャンフンだ。実話ではないものの、監督自身が社会で苦労した経験をエッセンスとして盛り込み、身体的痛みと心の叫びが渾然一体となった脚本に惚れ込んだソン・ジュンギがチゴン役を熱望したことから、この企画が本格的に動き出したという。ソン・ジュンギは「これは韓国映画界に絶対に必要なプロジェクトだと信じていたので、参加する機会を頂けて感謝している」とその理由を語っている。チゴンの属する犯罪組織の門戸を叩くほかなかったヨンギュは、仕事という名の“盗み”を働き、徐々に憧れのチゴンに認められていくが……。
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