幼い国王が即位したとき、王族の最長老女性が摂政をすることを「垂簾聴政(すいれんちょうせい)」と呼んだ。歴史的には中国の皇室でよく行なわれたことだが、それは朝鮮王朝も同じだった。この場合、王族の最長老女性に該当するのは、幼い王の祖母か母であった。 王に成人に達するまでの代理 朝鮮王朝の国…
朝鮮王朝の「五大古宮」の中で一番規模が小さいのが慶熙宮(キョンヒグン)です。五大古宮の中では最も西側に位置しています。ここも、歴史に翻弄されて様々な運命をたどっています。 正門の興化門(フンファムン) 正殿に至る崇政門(スンジョンムン) 王朝創設者の威光 現在の慶熙宮がある場所には、もともと朝鮮王朝…
朝鮮王朝の前の高麗王朝は、国教が仏教だった。しかし、仏教寺院が私有財産を増やして政治に介入し、国家衰退の原因になった。反対に、1392年に建国された朝鮮王朝は、仏教より儒教を重んじる体制を作り上げた。 朝鮮王朝時代に上流階級の男性が好んでかぶった程子冠(チョンジャグァン)は、儒教を象徴するような冠だ…
正門の大漢門(テハンムン) 正殿の前に置かれた中和門(チュンファムン) 徳寿宮が誕生する過程には、朝鮮王朝の王位継承に関する逸話がありました。それは、1469年のことです。8代王の睿宗(イェジョン)は即位して1年あまりで亡くなってしまいました。あまりにも突然の死であったため、後継者は決まっていなかっ…
『オクニョ 運命の女(ひと)』に登場する鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)。彼女はもともと奴婢(ぬひ)だった。つまり、最下層の出身だったのだが、文定(ムンジョン)王后の弟の尹元衡(ユン・ウォニョン)の妾になって宮中でも高い地位についた。身分制度を突き抜けるような出世を果たしたのだ。そうした例を頭に入れなが…
正殿の明政殿(ミョンジョンジョン) ハングルを自ら創製したことでも知られる4代王の世宗(セジョン)。朝鮮王朝最高の聖君と称されています。彼はもともと3代王・太宗(テジョン)の三男でした。長男をさしおいて自分を王に指名してくれたことを父に感謝していました。 歓慶殿(ファンギョンジョン)で…
ドラマ『オクニョ 運命の女(ひと)』は、朝鮮王朝でも13代王の明宗(ミョンジョン)の統治時代が舞台になっている。明宗の父親は中宗(チュンジョン)で、兄は仁宗(インジョン)である。3人とも、名に「宗」がついている。これには、どんな意味があるのだろうか。 王の名前一覧 「宗」がつくのは18…
1400年に朝鮮王朝の3代王となった太宗(テジョン)は、王の威厳を示すために、大きな仕事をしたがりました。その願望をかなえるために1405年に建設したのが、景福宮(キョンボックン)の離宮となった昌徳宮(チャンドックン)です。 1608年に再建された敦化門(トンファムン) 正殿の仁政殿(インジョンジョ…
1800年、名君として名高い22代王・正祖(チョンジョ)が亡くなり、その息子が10歳の若さで23代王・純祖(スンジョ)として即位した。幼い純祖が王位についたのは、正祖には他に息子がいなかったからだ。しかし、成人もしていない王が政治をするのは無理があり、垂簾聴政を行なったのが、21代王・英祖(ヨンジョ…
正門の光化門(クァンファムン) 1392年、李成桂(イ・ソンゲ/初代王の太祖〔テジョ〕)は朝鮮王朝を建国しました。首都の漢陽(ハニャン)は、現在のソウルです。王朝の拠点となる王宮の建設は、1395年に始まりました。 正殿の勤政殿(クンジョンジョン) 王の寝室だった康寧殿(カンニョンジョン) 1592…