七変化する個性
このように、パク・ソジュンが主演した旧作はそれぞれに面白いのだが、やはり新作も見たくなる。
しかし、彼は映画に取り組んでいて新作がなかなか日の目を見ない。コロナ禍も影響しているに違いない。なにしろ、撮影スケジュールや編集作業も予定通りいかないだろうから。
そんな中で、話題になっていた映画『ドリーム』(仮題)の仕上がりが気になる。
この映画は、冴えない選手たちを集めたサッカーのチームが、国際大会で予想外のプレーをしていくという物語だ。そして、パク・ソジュンは弱小チームを甦らせていく主人公を演じている。
とはいえ、七変化するキャラクターを得意とするパク・ソジュンだけに、映画『ドリーム』のストーリーも、一筋縄ではいかないだろう。二度も三度もどんでん返しがあるに違いない。
そういう意表を突く展開の中で、パク・ソジュンがとぼけた味を出すときが一番面白い。『キム秘書はいったい、なぜ?』もそうだった。
つまり、常識にかからない局面で見せるパク・ソジュンの驚きが一番見たくて仕方がないのだ。彼は喜劇役者をやらせても絶好の間合いで役をこなしていくことだろう。
そう考えると考えるほど、新作が待ち遠しくなってきた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)