「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.171「希望を見い出せるドラマ」

韓国tvN公式サイトより

あの『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』が、いまBS朝日で平日の月曜日から金曜日まで放送されている。この放送を見て、大いに感動している人も多いと思う。本当に、内容的に凄い作品である。

ラブストーリーではない

『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』の主役を担っているのは、イ・ソンギュンとIU(アイユー)である。
タイトルから察すると、「このドラマはおじさんと若い女性の禁断的な愛を描いているのかな」と考えてしまう人もいるだろう。事実、私の友人の何人かは、そういうふうに勘違いしてしまったようだ。
なにしろ、韓国のドラマである。それが、警察ドラマでも、時代劇でも、法廷ドラマでも、アクションドラマでも……つまり、100%のドラマがかならず恋愛を主軸に置くのが韓国スタイルなのである。

しかし、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』は違った。序盤の暗くて重い展開に面食らった視聴者も多いと思いが、このドラマは決しておじさんと若い女性のラブストーリーではない。お互いに好意を寄せていたのは事実だが、ドラマが描こうとしたのはそこではない。究極的にいえば、「自分ではどうしようもなく苦しい境遇に置かれた人たちが周囲の触れ合いの中で勇気づけられて前に踏み出す」というドラマなのである。
それは、見ている人にも大いにあてはまることであろう。だからこそ、次々に出てくる登場人物の苦境に接してみんなが応援したくなったのだ。

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2021.07.10