「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.170「済州島の昔と今」

済州島には奇岩の風景が多い

今は気軽に海外旅行に行けない時期だ。「コロナがおさまったらすぐに韓国へ行きたい」と思っている人も多いことだろう。韓国ならソウルが圧倒的に人気だが、国際リゾート地として根強いリピーターが多いのが済州島(チェジュド)である。

かつての流刑地

済州島といえば、風光明媚な景観とともにグルメも魅力的だ。
まさに「食の宝庫」として、アワビや刺身といった海鮮物、黒豚に代表される焼肉が本当に美味しい。食事と景色が最高なので、やはり観光地として絶対的な強みを持っている。
そんな済州島には、実は過酷な歴史があった。『宮廷女官 チャングムの誓い』でもよく出てきたが、朝鮮王朝時代の済州島は流刑地だったのである。
しかも、都から一番遠いので、極悪人ばかりが流されてきた。とはいえ、とてつもない大物も済州島に流罪となっている。
果たして、それは誰であろうか。
それは、国王なのである。

15代王・光海君(クァンヘグン)がその人だ。
光海君は政治的には有能で国王として業績が多かったのだが、王位継承のときに兄弟を殺していて、それが恨まれてクーデターを起こされている。
結局、1623年に王位を追われ、最終的に済州島に送られた。
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2021.07.03