「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.172「貞明公主の堂々たる人生」

韓国MBC『華政』公式サイトより

朝鮮王朝の歴史をいろいろと調べていると、実在した様々な人物のエピソードを知るようになるが、そうした人物の中で特に感銘を受けたのが貞明(チョンミョン)公主である。彼女は、時代劇『華政(ファジョン)』のヒロインになった女性で、ドラマではイ・ヨニが演じていた。

まさに針のむしろ

貞明公主は1603年に生まれた。
父は14代王・宣祖(ソンジョ)で、母は仁穆(インモク)王后である。
父が亡くなった後、異母兄の光海君(クァンヘグン)が即位したが、王位争いの過程で、母と一緒に離宮に幽閉されて苦難の日々を過ごした。
1623年、仁祖(インジョ)が光海君を王宮から追放すると、母の仁穆王后と一緒に貞明公主の幽閉は解かれた。
晴れて自由の身になったが、仁穆王后が1632年に世を去ると、仁祖によって邪険にされてしまった。まさに針のむしろに座らされているような日々が続いたのだ。

そんな仁祖が1649年に世を去り、以後は貞明公主も穏やかな日々を過ごすことができるようになった。
夫である洪柱元(ホン・ジュウォン)との間には7男1女がいた。その子供たちを立派に育て上げたうえに、彼女は王女としては破格なほどの大地主になった。本当に才覚がある理知的な女性だった。

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2021.07.17