世界でも評価されている
19世紀後半、26代王・高宗(コジョン)の時代にようやく「訓民正音」は「国文」として広く使われるようになり、さらには「ハングル」という名で呼ばれ始めた。これには“偉大な文字”という意味が込められている。
1945年の解放後は、漢字に代わる公式の文字として普及が進んで現在に至っている。それにともなって、創製を主導した世宗に対する評価が飛躍的に高まり、彼は韓国で最も尊敬を集める歴史上の大偉人になった。
その名声は世界にもとどろいていて、イギリスの出版社が2011年7月に出した「言語と言語学の50大重要思想家」の中に世宗が選ばれている。つまり、ハングルの創製は、世界の言語思想発達史の中でも大変重要な出来事だったという評価を受けているのだ。こうした事実は、実際にハングルを使用している韓国の人たちの自尊心を大いにくすぐることだろう。
母音と子音の組み合わせでどんな発音にも機能的に対応するハングル。東南アジアのある民族は、固有の文字を持たないので、ハングルを活用したいという意向を持っているそうだ。「ハングルの日」には、改めて民族固有の文字の偉大さを実感した人も多かったのでは……。
文=康 熙奉(カン ヒボン)