「個別インタビュー」「風の色」クァク・ジェヨン監督、古川雄輝×藤井武美との撮影を振り返る!「藤井武美がソン・イェジンやチョン・ジヒョンのようになってくれたら」

Q.これまでの監督の作品には名シーンがたくさんありますが、今回の「風の色」で一番力を入れたシーンはどこでしょうか?
自分なりに頑張って撮ったのが、列車と車が並行して走るシーンですね。時間をかけて、こだわって撮ったんですが、みんな喜んでくれたので、撮ってよかったなと思っています。それから、藤井さんは最後の撮影の日、雨に濡れるシーンを撮ったんですが、すごく大変だったと思います。でも、最後という寂しい気持ちもあったからか、いい感情表現をしてくれました。
そして、すごくプレッシャーを感じながら撮ったのは、最後のマジックショーのシーンですね。今回はコンテがなかったので、なおさら肩の荷が重かったんです。でも、実際撮影に入ると、思っていたほど、プレッシャーを感じず撮れたので、すごくよかったと思います。北海道はなんとか寒ささえしのげれば、いろんなシーンが撮れるなと思いました。でも、実際にはそこまで寒くはなかったです(笑)。

Q.撮影でお忙しかったと思いますが、北海道は満喫されましたか?
撮影中は満喫とまではいかなかったんですが、2007年にロケハンをしたときは、北海道の路線に全部乗りましたね。列車に乗って、北海道を回ったんです。「猟奇的な彼女」のとき、全国の列車に乗って韓国中を回ったのと同じように、北海道でも列車に乗って、たくさんのものを見て、おいしいものを食べたことをいまでも覚えています。

ⓒ「風の色」製作委員会

Q.先ほども話に出ましたが、監督はロケーションへのこだわりが強いようですね。
ロケーションにこだわる、というより勘が働くことがあるんですよ。今回、雨のシーンで、横浜の博物館が出てくるんですが、最初なかなか見つからなくて、私自身、その建物を見たこともなかったんです。でも、スタッフに「何かありそうだから、見てきて」と横浜に行かせたら、その場所が見つかったという。北海道のウトロでも、空き家が必要だったんですが、行ってみたら、まさにぴったりの空き家があったし、そういう勘が働くことがあるんです。

Q.日本の俳優と仕事をするのは今回2度目だと思いますが、日本の俳優の印象はいかがですか? 韓国、中国の俳優との違いはありますか?
韓国と日本の俳優はすごく似ていますが、日本はマネジャーがすごく動いていて、マネジャーパワーが強いなと。韓国はどちらかというと、俳優の意見が強くて、中国はさらに俳優の力が強い(笑)。日本の俳優は真摯な姿勢で臨んでくれるし、監督の言うこともよく聞いてくれますね。あと、日本は撮影が終わると、監督から俳優に花束を渡すのが、すごくステキだと思います。なので、韓国でも中国でもそれをやってみたら、すごく評判がよかったんです。だから、私がそういう日本の文化を広めたことになりますね(笑)。(7ページに続く)

2018.01.22