ホ・ソンテ:異なった時代、異なった空間で始まった2つの物語が、時間が経つにつれ接点を探しながら繋がっていき、最後に激しくぶつかりあうというのが、台本の持つ魅力でした。ノ・サンチョンという悪役キャラクターは、長い時間軸で、それぞれ違う時代の人物を演じなければならないので、俳優としてはそれがとても魅力的であり、ぜひ挑戦したいと思いました。
「餌【ミッキ】」で演じた人物、ノ・サンチョンについて紹介をお願いします。彼のどんな点に魅力を感じましたか?
ホ・ソンテ:先ほど言った通り、長い期間にわたって1人の人物を演じなければならなかったので、各時代ごとの特徴と違いを、自分の演技として見せることができるという点が魅力的でした。
希代の詐欺師というキャラクターを演じるにあたって、何か準備したことはありますか?
ホ・ソンテ:特に何か準備する必要はありませんでした。台本にシチュエーションが詳細に書かれているので、台本の赴くままに付いていけばいいと思いました。
詐欺師、つまり悪役ですが、これまで数多く演じてきた悪役と、今回のノ・サンチョンは、どこか違いがありますか?
ホ・ソンテ:これまでは、特定の事件や人物が持つ悪役としての個性に忠実であればよかったのですが、ノ・サンチョンは、若い頃からカリスマ詐欺師に至るまで徐々に悪役に変わっていくキャラクターです。多彩な姿を表現しなければならないので、自分も悩んだし、監督ともたくさん相談しました。
チンピラ同然の高利貸しから、カリスマに満ちた詐欺師へと変貌を遂げるにあたって、どんな点に注意しながら演じられましたか?
ホ・ソンテ:各年代別に、持っている声のトーンや言葉の速度、ジェスチャーや行動の違いなどを、大げさではなく、しかし差別化できるように準備しました。
刑事ク・ドハンを演じたチャン・グンソクさんと共演された感想をお願いします。何か撮影中のエピソードなどがあればお聞かせください。
ホ・ソンテ:グンソクさんはエネルギーに満ちた俳優でした。初めて演技を終えたときに、とても感じが良くて、このまま信じて演技していけば良いと思い安堵しました。エピソードということでは、私の誕生日にグンソクさんがサプライズパーティーを準備してくれことが記憶に残っています。
グンソクさんと演じたシーンで、記憶に残るものはありますか。
ホ・ソンテ:鬱陵島での撮影で、雪原をお互いに転がり回りながら苦労して撮影したシーンは、今でも忘れることができません。
詐欺被害者の娘であり、事件の真相を追う記者チョン・ナヨンを演じたイ・エリヤさんと共演された感想をお願いします。
ホ・ソンテ:とても良い女優で、人間としても素晴らしい方でした。被害者の情緒を細かく本当によく表現していました。
撮影現場の全体の雰囲気はいかがでしたか? 楽しかったこと、苦労したことなど、印象的だったエピソードがありましたらお聞かせください。
ホ・ソンテ:撮影のどの瞬間もとても楽しかったし、幸せでした。監督はとてもオープンな方で、俳優が提案するアイデアをよく受け入れてくれました。私もスタッフの方々と一丸となって和気あいあいと撮影しましたね。大変だったのは鬱陵島の雪原での撮影で、寒さと体力の限界を感じて大変でした。
撮影現場のムードメーカーはいましたか?
ホ・ソンテ:チャン・グンソクさんです。
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