<K-POP事業ではなくHYBEだけのための事業シナジー効果>
チャン理事は市場が期待する両者の事業シナジー効果についても「市場ではSMエンタのアーティストがWeverseに入ることがシナジー効果だと言われている」と説明を始めた。続けて●SM IPのWeverse入り(Weverseの追加収益を創出、SM自体のプラットフォーム事業の機会はく奪)、●IP収益化事業のHYBEアウトソーシングIP収益化関連の別途事業部門を運営中であるHYBEにSM IPおよび未来収益が帰属される)などを理由に、これは両者のための観点ではなく、HYBEの追加収益創出だけのためのものだと強調。
特にHYBEがイ・スマン前総括プロデューサーのSMブランドマーケティング、ドリームメーカー持ち株も共に買収することを明らかにした点について「HYBEはこれがSMエンタの支配構造改善のためだと主張している。しかしSMブランドマーケティング、ドリームメーカーは顧客がSMエンタ以外にはほとんどないような会社だ。2つの会社の価値はSMエンタが作りだしたものであるため、持ち株の価値はSMエンタの株主たちに返っていかなければならない」と説明。続けて「HYBEがイ・スマン前総括プロデューサーから2つの会社の持ち株を購入するのは、今回のディールを通じて別途プレミアを支給するためのものだと解釈する以外にない」と述べた。
また「これらの会社の事業はWeverseとライバル関係にあったが、イ・スマン前総括プロデューサーの持ち株を取得した後、これらの会社の事業をどうするのかについては明白な説明がない。このような背景を考えると、この会社の価値はHYBEに渡る可能性が高くなるだけで、SMエンタの観点で支配構造改善の効果は全くない」と伝えた。
続けて「HYBEはSMエンタ買収を通じて『多様な事業で強力な戦略的シナジー効果を創出する』と公示しているが、このシナジー効果は正確に何で、SMエンタの株主たちにどのような意味であるのか、明白に説明したことがない。SMエンタにどのようなシナジー効果があるのか、そしてそれがHYBEの株主の立場の利得なのか、SMエンタの株主の利得なのかを明白にするべきだ」と述べた。
チャン理事は「SMエンタとHYBEは国内のエンターテインメント業界を先導する大型企画会社として2社が合わされば市場全体の売り上げの60%ほどを占める独占的地位を持つことになる」とし、2社のCD、音源収益を合算すると70%、公演収益を合算すると89%という指標を通じてK-POP市場の多様性を低下させると説明。さらに「このような独占・寡占で一番大きな被害に遭うのは結局ファンだ」と言及し、HYBE傘下の複数のレーベルの公演チケットの価格上昇を1つの例として挙げた。
<HYBEの意図的な公正取引員会の事前審査回避…SMエンタの未来にリスク要因>
チャン理事はM&A推進の過程に問題も存在すると明らかにした。HYBE側の親株買収と公開買収は同じ日に公示された1つの取引であるため、公正取引委員会の事前審査を経るべき事案だが、有利な立場を取るための計算したHYBEによってSMエンタが抱えるだろうリスクについても詳しく紹介した。
さらに「持ち株買収が行なわれるといっても、今後行われる公正取引委員会の審査はSMエンタの未来にリスク要因として作用するはずだ。もし独占・寡占イシューによって企業結合申告が差し戻されれば、大量のSMエンタの持ち株が市場にあふれ、株価急落に至る可能性が高い。条件付きで結合承認された場合には、HYBEで公正取引委員会が提示した是正措置実行のため被買収会社であるSMエンタの事業規模を縮小する恐れが存在する。すぐに承認されても審査過程の遅延によってSMエンタが描く事業戦略を具現化していくにおいて重大な支障が生じるはずだ」と説明した。
<SMエンタが描くSM3.0&全体戦略発表の予告>
チャン理事は「もうすぐ行われる2022年SMエンタ実績発表後、マルチ制作センター、マルチレーベル戦略に続くSM3.0の新たなIP収益化戦略を説明と具体的な事業成果目標を共に話す予定。追加としてSM3.0の海外戦略および投資戦略の発表と共に最終的にはSMエンタ系列会社全体を含めた事業成果および株価目標をお話しする」とし、「SMエンタは今後SM3.0を具現化し、既存のIP事業強化以外にも新しい成長事業を創出することによって市場再評価を成し、これを再び株主に還元して高い企業活を作り出す株主価値向上の好循環の輪を形成するつもりだ。公開買収申請締め切り前、SMエンタが描いているSM3.0の全体戦略をお伝えするので、それを聞いて決定をお願いしたい」と伝えた。
チャン理事はまた現状況に対してSM役職員の85%がHYBE吸収に反対しているという投票結果と一般職員協議体の声明、本人を含めたSMセンター長以上の25人によるHYBE買収反対声明を改めて強調し、SMエンタ構成員たちは当惑し、虚脱な心境を訴えた。チャン理事は「HYBEの敵対的M&AはSMエンタがこれまでしてきた苦労や努力だけでなく、ファンやアーティストと共に追求してきたSMなりの価値や自負心まで全て無視するものだ。SMエンタの理事会が全体の株主のための理事会に生まれ変わるための意思決定をしたのは、イ・スマン前総括プロデューサーとSMエンタの名誉あるレガシーを守り、株主のための新しい跳躍を準備するためだった。経営陣の役割はSMエンタの役所君と所属アーティスト、そしてSMエンタのファンと株主のために働くのであり、これはどのような状況においても変わらないもので、変わってもいけないものだ。ファンと株主が信じてくださる限り、SMエンタは新しい跳躍のために歩みを止めない。ファンと株主価値を向上させるためのSM3.0戦略の後続発表に多くの期待と関心をお願いしたい」と発表を終え、「特定株主ではなく株主全チアの利益のためのSM3.0時代を開いていく」というイメージと共に映像を締めくくった。
WOW!Korea提供