成人した大君たちが何人もいたにもかかわらず、後宮の子が王になれた理由は予想できないところで答えが見つかった。大君たちは世子を脅かす人物にされないよう、帝王教育をしなかったため、相対的に学問の意志がなく、悠々自適な人生を送っていたのだった。それで一番聡明な者が王位を譲り受ける「択賢」が適用されるという口実を提供し、庶子も王位に就けるという名分を与えたのだった。その成功例が聖君ホと大妃(キム・ヘスク)だった。
守れなければ子を失うという地獄のような現実が、ファリョンの目の前に座っているユン王后の人生だった。あの時に戻れるなら「稚拙で卑怯で卑劣で人に指を刺されてもわが子を守る」と言うユン王后の涙が、ファリョンの胸を痛めた。
そんな中、大妃からこっそりもらった帝王育成の秘法書は後宮たちに自分の子も王になれると期待させた。世子が病で苦しんでいる状況でファリョンも備えないわけにはいかず、大君たちに侍講院で世子と一緒に学ぶよう頼んだが、ケソン大君だけが参加の意思を示した。
ファリョンはケソン大君のおかげで安堵の笑みを見せたが、その笑顔は長く続かなかった。ケソン大君が出席未達の不良だという意外な事実を知ったからだ。ちょうど一人で宮中を歩いているケソン大君を見かけたファリョンは、廃殿閣に向かう息子の後をつけた。廃殿閣の中の密室にまで入ったファリョンは、そこで信じられない光景を目にして飛び出した。ショックと混乱に包まれたファリョンは誰もいない所で息を殺しながら泣いた。
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