テレビ東京の韓流プレミアで7月17日から『トンイ』が始まる。ハン・ヒョジュが演じる主人公のモデルとして有名な淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏は、19代王・粛宗(スクチョン)の側室で、21代王・英祖(ヨンジョ)を産んだ生母である。いったいどのような女性だったのか。 粛宗の側室 貧しい出自から19代王・粛…
1777年7月28日の深夜、即位して2年目の正祖(チョンジョ)は王宮で本を読んでいた。突然、王宮の回廊の上から、瓦を踏む足音が聞こえてきた。正祖は耳をすませた。どう考えても、人間の足音にしか聞こえなかった。 王宮に移転が実行された 「怪しい者が忍び込んできたのか……」 そう察した正祖は警護の者たちを…
518年続いた朝鮮王朝では27人の国王が統治したが、名君もいれば暴君もいて、さらに暗愚の国王もいた。そうした国王の中で、「即位しなければ良かったのに」と思える人を5人選んでみた。 最初の3人 ◆燕山君(ヨンサングン) 〔1476~1506年〕 10代王。在位は1494~1506年。9代王・成宗(ソン…
朝鮮王朝時代では、社会の隅々まで浸透した儒教の影響で、男尊女卑の風潮がとても強かった。女性は親の遺産の相続権がなかったし、結婚生活では夫から理不尽に離縁を強制されても受けざるをえなかった。さらには、再婚の自由も奪われていた。 悪女にならざるをえない事情 朝鮮王朝時代の女性は科挙の試験を…
正祖は今の韓国でも“朝鮮王朝後期の名君”として揺るぎない評価を得ている。確かに、彼が残した業績は多い。党争に明け暮れる政権を立て直し、停滞していた国政を一変させて様々な改革を成し遂げた。こうした業績が正祖の名声を高めているのは確かだが、それ以上に正祖が今の韓国で尊敬されているのは、彼が模範にしたいほ…
朝鮮王朝時代に王宮で起こった奇怪な事件として有名な「灼鼠(しゃくそ)の変」。この事件は韓国時代劇でも何度か取り上げられたが、どの作品でも文定(ムンジョン)王后と鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)が共謀して起こしたという筋書きになっていた。 世子の誕生日の出来事 「灼鼠(しゃくそ)の変」は15…
『不滅の恋人』が描く時代は、歴史背景からすると1450年代前半だ。ドラマに登場するイ・ガンは歴史的に首陽大君(スヤンデグン)のことで、イ・フィは安平大君(アンピョンデグン)に該当する。この2人は激しく対立したのだが……。 競い合う兄弟 4代王・世宗(セジョン)の長男だった文宗(ムンジョ…
11代王・中宗(チュンジョン)の三番目の正室だった文定(ムンジョン)王后。彼女は自分が産んだ慶源大君(キョンウォンデグン)を王にするために、手段を選ばぬ悪行を重ねていた。特に、中宗の二番目の正室が産んだ12代王・仁宗(インジョン)の暗殺を狙った。 文定王后を訪ねた仁宗 中宗は1544年…
『不滅の恋人』には2人の王子が登場して激しく対立する。その王子の中で、イ・ガンは歴史的に首陽大君(スヤンデグン)のことであり、イ・フィは安平大君(アンピョンデグン)のことだ。史実で2人はどんな立場だったのだろうか。 武闘派と芸術派 朝鮮王朝最高の名君と称された4代王・世宗(セジョン)。…
毎週日曜日の午後11時から、NHK総合テレビで放送されている『100日の郎君様』は、主役となっているド・ギョンスが、世子のイ・ユルと村人のウォンドゥクという2人の人物を演じ分けている。それは、記憶喪失という設定が物語を大きく動かしているからだ。 写真=韓国tvN『100日の郎君様』公式サイトより ウ…