「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.161「余韻がすばらしい『ナビレラ』」

日本でもネットフリックスで韓国と同時に配信されていた『ナビレラ-それでも蝶は舞う-』が最終回を迎えた。とても評判がいいドラマで、韓国と日本で大きな感動を呼び起こした。本当に余韻が残る作品だった。

人生にやり残したこと

『ナビレラ』は誰もが共感できるテーマを持っている。それは、「好きなことに夢中になる」ということだ。
パク・イナンが演じるシム・ドクチュルは、郵便局員として定年を勤めあげて、今は悠々自適の日々を過している。しかし、何か物足りない。それは、人生にやり残したことがあるからなのだ。
彼は子供のときにバレエに夢中だった。それは鮮明な思い出だったが、大人になっても生活に追われるばかりで夢をあきらめていた。
しかし、70代になって、もう一度チャレンジしようと決意した。しかし、70代がバレエを始めるなんて、誰も本気にしない。
それにもめげず、ドクチュルは熱意を持ってバレエを始めようとする。
頼ったのが、ソン・ガンが扮している23歳のイ・チェロクだ。

彼は高校卒業後にバレエを始めたので、スタートがとても遅かったが、とてつもない才能を持っている。しかし、彼は生活のためにバイトを続けなければならず、私生活でも様々な困難を抱えている。それゆえに、バレエに集中できないのだ。
そんなチェロクは事情によってドクチュルを指導せざるを得なくなる。

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2021.05.01