韓国時代劇によく出てくる女官は一度宮中入りすると、よほどの理由がない限り、王宮から外出することができなかった。それゆえ、日常生活のすべてが王宮にあった。そんな女官の人生とは?
女官の最大の野望
幼い頃から王宮で修業した女官は、上司にあたる尚宮(サングン)の下で生活をともにするのが慣例だった。24時間監視されているような気分で、息が詰まって仕方がなかっただろう。
女官も一人前になると、尚宮から独立して何人かで一部屋を使うことを許された。もちろん、女官の居住区域は男子禁制である。まったくの女性だけの世界。同居する女官同士で、同性愛に陥る人も多かったという。
また、女官たちは官吏であったために、国の俸禄を受けた。
多くの場合は、米や生地などの現物が報酬として支給されたのだが、中には現金で直接もらう人もいた。
このように、官位と担当する業務によって給料を支給される国家公務員であったともいえる。
幼い頃に王宮に入って、そこで一生を送る女官たちにとって、最大の野望はなんといっても王と関係を結ぶことであった。
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