新型コロナウイルスの影響により、ここ最近のバラエティでは社会情勢を鑑み、「ヒーリング」、「支援」を意識した番組が目立つようになってきた。
まず、ヒーリング系バラエティとして、5月に入ってスタートした新番組「三食ごはん 漁村編5」(tvN)と「注文受けます」(MBC every1)について触れたが、続いてのキーワードは「支援」。
すでに、韓国では芸能人がSNSで、医療従事者を応援する「おかげさまチャレンジ」が連日話題となり、温かい輪が広がっているが、直接的に困っている人を支援し、社会貢献に乗り出すバラエティも見られ、視聴者から好評を博している。
それが、日曜午後5時から放送中の「キリキリ~似たもの同士」(MBC)だ。除隊したばかりのソンギュ(INFINITE)、バラエティ初レギュラーの俳優イ・スヒョク、ウン・ ジウォン(SECHSKIES)、グァンヒらバラエティに富んだ10人が出演。落ち着いていてインドア派な「ヌルキリ」、ハイテンションでエネルギッシュな「フンキリ」という似たもの同士が5人ずつ2チームに分かれ、ミッションやゲームを繰り広げながら笑いを届ける“性格尊重”バラエティだ。
元々、ロケバラエティだったが、社会的に外出自粛やソーシャル・ディスタンスが求められるや、いち早くスタジオ収録で行える企画に切り替えたほか、さらにもう一段階踏み込み、4月26日の放送からは、「農家支援」プロジェクトを展開。新型コロナウイルスにより深刻な被害を受けた農家や漁師を少しでも元気づけ、活力を吹き込もうと、メンバーたちは人手不足のアワビ養殖場、アスパガラス、花、ミニトマト農家など全国4カ所に散らばり、農水産物の作業や収穫を手伝った。
さらに、これで終わらず、収穫した農水産物を生放送のテレビショッピングで販売。この模様は5月10日に放送されるが、視聴者からは「農家がいかに大変なのかを知ったので、購入し、消費することで協力したい」など好評の声が相次ぎ、趣旨が素晴らしいと絶賛されている。
他にも、新型コロナウイルスにより、外出や外食を控え、飲食デリバリーが増えている社会状況を反映した新番組も登場。海外でフードトラックを運営し、現地の人々と触れ合うフードバラエティ「現地で食べてくるかな?」(tvN)のスピンオフとして、舞台を韓国に移し、イタリアンのデリバリー専門店をオープンする「配達して食べてくれるかな」が19日にスタートする。
有名シェフのセム・キムを筆頭に、元サッカー韓国代表のアン・ジョンファン、除隊したばかりのユン・ドゥジュン(Highlight)、「PRODUCE 101」シーズン2出身のチョン・セウンが出演することから、すでに高い関心が寄せられている注目番組だ。
このように、社会的影響力の大きいテレビだからこそ、韓国バラエティは社会情勢を踏まえ、柔軟な対応で工夫を凝らしながら、視聴者に優しく、寄り添う番組を届けることで、社会貢献の役割を担っている。