「個別インタビュー」俳優テジュ、人生の歩みを振り返る! 

Q.そんな“迷い”から脱出していくわけですが、何がきっかけだったんでしょうか?
縁があってアイドルグループのメンバーとして、日本で活動することになるんですが、日本に来てから、自分を応援してくれるファンができたということです。韓国にはいなかったんですよ。もちろん、家族とか、友達は応援してくれましたけど、それは元々の関係じゃないですか。ぜんぜん知らない人が、お金と時間をかけて応援してくれる、メッセージを送ってくれるっていうのが、すごい感覚でした。自分がこんなに愛されてもいいのかっていう幸せを感じて、応援してくれる人がいるっていうのが、すごく力になりましたね。

Q.日本のファンのおかげで、グラフの線はプラスへとどんどん上昇ということですね。
一度、ライブ中にファンのありがたみを感じて、泣いたことがあるんですよ。それを境に、僕自身の姿勢がすごく変わったんです。もっと一生懸命やろうっていう。結局、グループは解散することになったんですが、そのときに「また日本に来ます」ってファンの皆さんと約束をしていなかったら、たぶん今頃、韓国にいるかもしれないっていうくらい、日本のファンの存在は大きいです。ファンのおかげで、今も活動できているし、すごく感謝しています。

Q.アイドルグループ解散後、活動拠点を日本に移して、今度は俳優として本格的に活動をしようと思ったのはどうしてですか?
解散のとき、ファンのみんなに「また日本に来ます」って言ったんで、その約束を守るために、昔ライブをやっていた会場の前で、「帰って来ましたよ~」って個人配信をしようと思って、1週間だけ、一人で日本に来たんです。その最後の日、たまたま知り合いの紹介で、今のマネジャーさんと出会って、話をしていく中で、本気で俳優として頑張ってみようって。その出会いも大きかったんですけど、やっぱり一番大きかったのは、僕には日本にファンがいるっていうこと。たとえ、それが一人だとしても、日本に存在するっていうのが、すごく大きくて。そして、元々日本の文化とかも好きだったし。アニメとかゲームとかもむちゃくちゃ好きで。

Q.日本のお城とかも好きだとか。
好きですね。お城もそうだし、日本は伝統文化を大事にするじゃないですか。着物もそうだし、僕お祭りに行って、ふんどし姿でおみこしを担いでいるのを見て、“うわっ、ステキだなぁ”って思いました。そういういろんな文化があるのがいいなと思ったし、日本語ができるっていうのを生かしたいって気持ちもあったので。

Q.日本で俳優として活動することに、不安などはなかったですか?
いまだにありますよ。だって、アクセントとかイントネーションが完璧ではないから、韓国人役ばかりだし。だからこそ、韓国人役は全部俺がやるって気持ちもあるんですけど(笑)。ま、でも、心配しても何も変わらないじゃないですか。だから、“やっちまえ”って感じで、飛び込みました(笑)。

Q.日本で、俳優をやっていて良かったなと感じるのはどんなときですか?
それは毎日です。そう思わなくても、自分に言い聞かせています(笑)。だって、寂しいときもあるし、人間だから、ミスをするときもあるし、つらいこともあるじゃないですか。でも、“お前は幸せな人生を送ってるよ”って自分に言い聞かせたら、もっと頑張れますね。

Q.メンタルは強い方ですか?
どうなんでしょうかね~。たぶん、俳優の夢を見つけたときは、誰にも負けないぐらいのメンタルだったんですけど、さすがにマイナスの時期が長かったからか、今のメンタルはちょっとガラスかな~(笑)。いや、プラスチックくらいで。プラスチックはいろんな形に変えられるじゃないですか。しかも、合成プラスチックだったら、鉄より強いのもあるし。だから、ゴムみたいに伸縮が可能なメンタルってことで(笑)。

Q.日本でさまざまな作品に出演してきたので、いろいろな出会いがあったと思いますが、特に感謝したい人はいらっしゃいますか?
今出演している連続ドラマ「奪い愛、夏」に呼んでくださった鈴木おさむさんです。

Q.「恋愛ドラマな恋がしたい」(ドラ恋)の企画・構成を担当した鈴木おさむさんが、「奪い愛、夏」の脚本を書いているとき、姜倫求役はテジュさんしかいないと当て書きをしたそうですね。
鈴木おさむさんからは、「テジュの『ドラ恋』での姿を書いた脚本だから、そのまま演じてほしい」と言われました。「ドラ恋」のときも、すごくいい台本で、いい機会を与えてくださって、そのつながりで、今度は初めての連続ドラマという大きい機会を与えてくださったので、本当に感謝の気持ちを伝えたいですね。

Q.鈴木おさむさんに、俳優として認められたということですよね。
認められたっていうか、優しくしてくださったという感じです(笑)。まだ、認めてもらったわけではないと思っていて、今以上にもっと頑張らなきゃいけないなって思っています。

(4ページに続く)

・水野美紀主演「奪い愛、夏」 Abema TVで8月8日より放送。 小池徹平の後輩役で韓国人俳優テジュ出演決定!

・「取材レポ」俳優テジュ、留学生役を熱演!フォトシネマ朗読劇「命のバトン」大盛況で終幕!

・イ・セヨン(CROSS GENE)俳優テジュ再演!全く新しい朗読劇『フォトシネマ朗読劇』が、5月から新作上演決定!

・「取材レポ」俳優テジュ出演「ミュージカル・まいっちんぐマチコ先生〜画業45周年だよマンガ道〜」本日より開演!ゲネプロで本番直前の心境語る

2019.09.18