「個別インタビュー」俳優テジュ、人生の歩みを振り返る! 

Q.そうすると、軍隊で規則正しい生活をして、健康的な体になったと?
甘いものがないし、自由がないから、おいしいものを食べるということが、ちょっと幸せに感じるんです。それまでは、お腹いっぱいになるのを“気持ちワルッ”っ思っていたのが、“あ~、食べるのっていいことなんだなぁ”って分かって(笑)。だから、食への興味がわいたのは軍隊の時期ですね。

Q.そして、軍隊に入っているときに、「俳優の夢を見つけた」という転機で、グラフの線が最高値に。
軍隊に入ってから、考える時間が多くて、俺ってどんな人生を送ってきたんだろうって振り返ってみたんです。そしたら、今までやりたいことが1個もなかったなって気付いて。それで、自己啓発本とかを読み始めて、その中に、自分がやりたい仕事を見つける、達成したい目標を見つける本があったんで、本に書かれている通り、自分がやりたいことをまず10個決めて、1個ずつ消していったら、最後に残ったのが“俳優”だったんです。最初は“えっ? どういうこと!?”って戸惑いましたよ。僕、芸能界の仕事をしている人たちに否定的なことを言っていたので。でも、実はやりたかったのに、勇気がなくて、自分を騙していただけっていうのが分かって。

Q.自分が本当は何をしたいのか、本心を知ったということですね。
それで、お姉さんに電話して、演技関連の本を送ってもらったんですけど、恥ずかしくて、同じ部屋の仲間には言えないから、隠しておいて、みんなが寝ているときに、こっそり読んでいました(笑)。でも、ある日、僕が俳優になった夢を見たんです。映画で主演を務めて、映画祭で賞をとったっていうストーリーで、けっこう長い夢だったんですけど、そんな夢を見て起きたら、手がめちゃくちゃ震えて、心臓がもう爆発しそうな、ブブブブブって感じで、汗だくになりながら震えが止まらなくて。21年の人生の中で、初めて経験した感覚だったんです。それまではモノクロだった視界が、いきなり色が出てきたっていうか。その初めて感じる感情に驚いちゃって。

Q.そこまで興奮するのだから、すごくリアルな夢だったんですね。
それがきっかけで、演技をやったこともないくせに、次の日から、みんなの前で、「俺、俳優になるから」って宣言して、堂々と演技関連の本を読み始めたし、演技をやっている人も2人いたんで、その2人にもいろいろ情報を聞きました。それが、軍隊が終わる6カ月前だったんですけど、その6カ月間、本で演技の勉強をしながら、自分で気持ちも整理しなきゃいけないから、心理学の本とかも読んで、マインドコントロールをしていきました。それと並行して、お父さんに6カ月かけて33枚の手紙を書いて、僕、全州(チョンジュ)出身なんですけど、お父さんの許可をもらって、除隊して1週間後にソウルに行って、大学試験を準備して、演劇の大学に入りました。

Q.俳優になると決める前は、ドラマや映画はよく見ていたんですか?
映画は好きでしたね。学生時代、全てに欲がなかったって言いましたけど、寝るのも嫌だったんですよ。だから、いつもテレビで、朝までやっている映画を見ていました。

Q.どんな映画が好きだったんですか?
お父さんが派手な洋画が好きだった影響もあるし、朝方やっている映画って、洋画が多かったんで、洋画をよく見ていましたね。トム・クルーズさんとか好きでしたよ(笑)。

Q.そして、人生グラフを見ると、「夢を見つけた」後に、またマイナスゾーンに下がりますね。「迷い」と書かれていますが。
俳優の道ってなかなか上手くいかないじゃないですか。夢で見た僕の姿が、26歳の11月だったんですよ。それで、26歳の11月に目標を達成するために、毎日日記みたいなものを書いていったんですけど、ちょうど僕が軍隊を出て、大学に入って、卒業する年が26歳の11月だったから、“うわっ、これは運命だ!”“絶対に行くしかない!”って。やる気に満ちていて、大学在学中も、舞台だったんですけど、毎回主役だったんですよ。だから、“俺は人生の主役なんだ”ってバカみたいな考えをしちゃって、卒業してから、現実は違ったっていうのが分かって。年齢のこと、お金のこと、家族のこととか、いろいろ現実を考えるようになって、このままでいいのかなって“迷い”が生まれたんです。今になっては、バカみたいな迷いなんですけど、その夢をずっと信じていたし、自分に対しての期待が大きかった分、いろいろ考えてしまったということです。

Q.でも、大学時代、舞台で何作も主役を演じるというのは、それはそれですごいと思いますが。
やっぱりイメージ的に、僕のキャラクターがすごく強くないのが良かったんだと思います。主役ってその人自身のキャラクターが強くなくて、どっちにもいける、波とかを作れる人を使うから。ただ運が良かっただけだと思います。それなのに、僕もずっと主役に選ばれたから、自分が最高だなって思っちゃったんですよ(笑)。今思うと、そんなちっちゃい世界で、たいしたことないじゃんって感じなんですけど。

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