「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.64「ヒョンビンが語る海兵隊」

後悔はしたくない

海兵隊の訓練は、想像をはるかに越えるほど辛かった。
ヒョンビンはこう振り返っている。
「体力訓練はつらかったです。罰としてやらされるウサギ跳びや、仰向けに寝て銃や脚を上げる動作が大変です。でも、厳しい訓練が続き、もう耐えられないと観念した瞬間に周囲を見ると、他の人たちは同じ状況で耐えているじゃないですか。それで、私も耐えることができました。もし、私がここで倒れてしまったら、同じように倒れてしまう人も出てくるでしょう。それではいけないから、必死に耐えたんです」
そこまで耐え抜いて、ヒョンビンは確かな手応えを感じた。
「人間は状況や社会に適合できる動物だというじゃないですか。私もここで過ごしながらいろいろな状況に対応することができるようになり、軍隊という囲いの中で少しずつ何かを会得しました」

結局、海兵隊に志願したことは間違っていなかった。ヒョンビンは海兵隊の中で自分の将来に役立つキャリアを加えた。
彼はこう総括している。
「海兵隊で落伍したとしても、後悔はしたくなかったですね。やらないで後悔するよりは、やって後悔したほうがまだいいじゃないですか。私がしている仕事は経験を積むことが大事なので、ここで過ごす経験が後でとても生きてくると思います」
ヒョンビンのこの言葉を、後に続く芸能界の後輩たちに伝えたい。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

2019.03.30