「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.64「ヒョンビンが語る海兵隊」

写真=韓国海兵隊公式サイトより

4月になると、芸能界出身者で海兵隊に入る人が複数いる。海兵隊は韓国軍の中で訓練が一番厳しいことで有名だが、その海兵隊でしっかり兵役を務めあげたことで有名なのが、俳優のヒョンビンだ。彼が海兵隊について語る言葉に耳を傾けてみよう。

今後の将来に向けて

ヒョンビンは、2011年3月7日に浦項(ポハン)に位置する海兵隊の教育訓練所に入った。
このとき、彼は28歳だった。
同期は8歳前後の年下ばかりだった。その中で、ハードな訓練を続けていくのは並大抵のことではなかった。
事実、ヒョンビンは新兵訓練で膝を極度に悪化させて、悲痛なほどの苦しみを味わった。その事態は予測できたはずなのに、彼はなぜ厳しい海兵隊を志願したのか。

「自分の限界に挑んでみたくなって、海兵隊に志願しました。身体的にも精神的にも、新しい作品に入る度に気持ちを込めて演技してきましたが、軍隊生活で生じる限界は、それとも別のものでしょう。しかし、30代で俳優に戻る前に、今の時点で自分を一度見つめなおし、今後の将来に向けてじっくり考えてみたかったのです」
「海兵隊に志願して面接を受けましたが、そのときに考えていたのは、キム・テピョン(本名)という自分自身に対して“何をしていかなければならないのか”“将来に向けてどんな目標を持つべきか”ということだったのです」
つまり、ヒョンビンはあえて限界に身を投じて、その中から確固たる目標を見いだしたかったのだ。よほど強い気持ちを持っていたのだろう。海兵隊はヒョンビンにとって越えるべき大きな壁だった。

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2019.03.30