ノーメイクの荒い肌、剃りあげた髪、がめつい釜山の方言に、厚かましく卑劣な表情まで……。私たちが知っている俳優なのかと目を疑うほどだ。チュ・ジフンは映画「暗数殺人」で“絶対的な悪党”として帰ってきた。見栄とユーモアを兼ね備えた現世のヘ・ウォンメクと高麗を守ろうとした前世の武士ヤマネコ(映画「神と共に-因と縁」)、そして鋭い眼差しを持った原則主義者の北朝鮮の軍人(映画「工作」)に続き、またしてもキャラクターの変身だ。今年に入って、3本の映画で卓越した演技を披露し、ヒット保証俳優として生まれ変わったチュ・ジフンに出会った。
Q. 「暗数殺人」という単語があまり聞き慣れないが、その意味を知っていましたか?
チュ・ジフン:映画を通じて初めて知りました。タイトルだけ見て、非倫理、痴情、殺人劇だと思いました。台本を読んだマネージャーが、面白いと推薦してくれたので、僕も読んでみるようになりました。
Q. 予想していた内容とは全然違う内容で驚きましたか?
チュ・ジフン:とても強烈でした。
Q. 実話を元にしているので、犯罪劇でもアクションシーンがありませんでした。アクションがあったとしたら、もっと気軽に視線と興味を誘発することができたのではないでしょうか?
チュ・ジフン:ありふれたアクションや追撃戦なしに心理的緊張感でスリラーをリードしていくというのが、むしろこの映画の強みです。一見するとカン・テオ(チュ・ジフンが演じた劇中の殺人鬼)がただ狂っているようですが、実際はセリフの語節ごとにあごの角度まで一つ一つが計算されています。まるで演劇をしているようにです。劇中でテオとヒョンミン(キム・ユンソク)が接見室で駆け引きするシーンが7回も出てきます。同じ接見室で行われる駆け引きだが、シーン毎に違った感じを与えなければならないので大変でした。
Q. モチーフになった事件をどれほど参考にしましたか?
チュ・ジフン:最初から参考にしていませんでした。わざとではありませんが、監督がこの映画を企画することになったきっかけになった「それが知りたい」も見ませんでした。映画の準備段階で、監督と毎日のように会って、膨大な調査内容について話を聞きました。説明をきちんとしてくださったので、わざわざ実際の人物をそのまま再現する必要はありませんでした。
Q. “感情統制不可”な殺人犯のキャラクターですが、演技が楽ではないキャラクターを選んだ理由は何ですか?
チュ・ジフン:訳もなく衝動的に殺人を犯す完全な悪人キャラクターは初めてです。オフロードのように内面がでこぼこしたキャラクターが魅力的に感じられました。演技で遊び回ることのできる、多層的な人物を演じてみたかったんです。しかもユンソク先輩がキャスティングされたという知らせに、頼り甲斐があると思いました。心が動揺し、不安な時にユンソク先輩が隣でしっかりと支えてくれました。
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