(c)舞台「雷神とリーマン」実行委員会
雷遊が雲に乗って浮遊している姿や、雷遊が雷を落とすシーンなども照明や音響を駆使し、マンガの世界観をそのままに、スムーズに展開。雷遊と大村の出会いが描かれた後、アンサンブルキャストも加わり、6人によるオープニングダンスで、舞台への期待がどんどん高まる。
雷遊と大村の日常シーンが始まると、2人のテンポのいいやりとりの数々が笑いをもたらす。今回、インジュンが本作で初めて大阪弁に挑戦しているが、大村が大阪弁なので、雷遊のボケに対するツッコミも小気味よく、イケメンの雷遊に、大村が「好みかも」とデレッとする姿など、笑いどころも満載。
そして、何より雷遊が、初めて握り飯、梅干しを食べたときなどは大きなリアクションをするなど、まるで子供のように、初めて触れるものに目を輝かせ、とぼけた行動も見せるが、キザにも聞こえるような真っ直ぐな言葉を放ち、グッとさせられる。
枯れた生活を送っていたのが、雷遊によって変化し、癒されていく大村の健気さをインジュンが繊細な演技で表現し、人間になりたい雷遊をミンスが低音ボイスを生かして、重厚感を出しつつ、純粋無垢な感じも漂わせ、キャラクターに深みを持たせている。
そんなしゃべり方、姿勢まで細部にこだわったお芝居は、まさにマンガの世界から飛び出てきたようで、2人の新たな一面が堪能できる。
また、劇中で大村がテレビを見るシーンでは、韓流スターのニュースとして、今回の舞台が全公演終演した翌日の15日(日)、インジュンが同所でソロファンミーティングを開催するという告知をちゃっかり盛り込んでいるあたりも、ファン心理をくすぐる。
本作で2度目の共演となるミンスとインジュンは、安定した息ぴったりの演技を見せ、後半にいくほど、どんどん彼らに感情移入できるようになり、心を通わせ始めた2人の関係がどうなっていくのか、気になる展開に。
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