「個別インタビュー」ユン・ソクホ監督“「ときめきの風」が常に吹いています!”劇場初作品「心に吹く風」の魅力に迫る!

Q.ユン・ソクホ監督、イ・ジスさん、そして「初恋」というとやはり「冬のソナタ」ですよね。本作の高校時代の二人のシーンの中にはドラマの名場面を彷彿させるようなシーンがところどころ感じられましたが、意識されて撮影されたんでしょうか?
まったく意識はしていませんでしたね。

Q.偶然だったんですね。
そういったシーンがあるというのはまったくの偶然ですね。唯一思ったのはピアノのシーンは「冬のソナタ」のあのシーンと似ているなと思って、また同じようなことをやってもいいのかなとちょっと悩みました。
他のシーンに関しては、まったく意図してなかったです。でも、私が好きなことが無意識に出て、「冬のソナタ」とつながったのではないでしょうか。

Q.監督自身が特に気に入っているシーンは?
倉庫のシーンですね。あのシーンはクリエーターとしてもそうですし、一番作りがいというか、やりがいを感じたシーンでもあります。
その理由はこの作品は偶然に関する映画で、「自然が作る偶然」、「人間の間で起こる偶然」というものがこの倉庫という空間の中ですべて描かれているんです。例えば、雨粒が落ちて絵が変わり続けるという倉庫の壁、これは自然が作るもの。その中で二人の男女が20年ぶりに会って会話するというのも、過去と現在の出会いを表していますし、リョウスケがビデオカメラのスイッチが入っているのを知らずに倉庫に持って入って、自分自身が映りこんでしまう。その映像がのちにビデオアートとして登場するんですが、そういったことでも、偶然がうまく描かれていると思います。

Q.この作品で監督が一番伝えたかったことは何ですか?
今回の映画の一番のテーマが“偶然”。
“偶然”に関する映画だといえますが、生きるということは偶然の重なりだと思うんですね。偶然に起きることは、予測がつかないので、人によってはとても不安に思いますが予測できないからこそ、楽しみでもあるとポディティブな考え方があると思います。
同じ現象の中でもネガティブにとるか、ポディティブにとるかという選択肢があると思います。私はこの映画を通して偶然のポディティブな面を描きたかったんです。この作品を観た方々が生きることは大変なことだけれどもでも、「人生は生きる価値があるんだ」と思っていただきたいですね。(5ページに続く)

2017.06.06