「個別インタビュー」ユン・ソクホ監督“「ときめきの風」が常に吹いています!”劇場初作品「心に吹く風」の魅力に迫る!

Q以前のインタビューで監督は重点を置くポイントとして、いつも夢を見ているような幸せになれる「夢」「ファンタジー」「ときめき」といった点にポイントを置いていると伺いました。本作ではどういったところに重点を置かれたんでしょうか?

今回は全体的なキーワードとしておいているのが「偶然」ということです。人って偶然に起きることや偶然が重なって生きているんだなぁと思うんですね。「偶然」というものはネガチィブな部分もあると思います。作品では詳しくは描かれていないのですが、主人公の二人にもそういった部分があって、春香の場合はお父さんの事業が失敗したりとか、家が色々あって、そういうことによって(リョウスケと)離れることになるとか。リョウスケの場合は一気に家族も何もかも、すべてを失ってというように偶然に起きることによって不幸になるとか。でも、映画ではあえてその部分は描かずに、偶然を通して起こる「美しさ」というものにフォーカスして、「ときめき」や「ファンタジー」の部分をポイントとして描きました。そういうものづくりの姿勢は基本は変わらないと思います。

Qドラマでも美しい映像美で定評のある監督ですが、ドラマと映画で撮影方法に違いはありますか?
一番違う点はやはり、テレビは家で小さな画面で観ますが映画は大きなスクリーンで観るという違いがあるので、やはり、撮影の仕方も全然違うと思うんですね。プラス、ドラマというのは同じ時間帯に放送しているほかのチャンネルとの競争があると思うので、物語の展開を早くしないとすぐチャンネルを変えられてしまいます。でも映画はリモコン操作がないので(笑)今までやりたかった、ゆったりとしたロングテイクができるということが大きな違いではないかと思います。(3ページに続く)

2017.06.06