「インタビュー」『太陽の下で-真実の北朝鮮-』ヴィタリー・マンスキー監督インタビュー

Q:映画撮影前と映画完成後の朝鮮人民民主主義共和国の印象は?
A.私は苦しげな路上生活者たちを見たし…、メキシコやインドの貧民窟も。だが、問題は貧困とか快適さ、現金、物価、飲料水等々が問題なのではない。問題は人間の自由なのだ。自分の生涯を生きる権利、生涯の決定権、自分の人生を変更する権利、以上の意味で北朝鮮は最もひどい国だと思う、なぜなら、あの国には自由を持つ人間がいないからだ、権利を抑圧する人々も無権利状態だ。皆さんを驚かせているようだが、指導者、神々キム・イルソン、キム・ジョンイル、キム・ジョンウン。彼らも自由な人々ではなく、彼らが住む全体主義国家の人質であり捕虜なのだ。

少女が流した涙の理由(ワケ)は――
北朝鮮市民に密着撮影を行ったロシア人映画監督。それは日常を記録した、よくあるドキュメンタリーのはずだった。
しかし、すべては当局の管理下で演出されたフェイクだった。


8才のジンミは模範労働者の両親とともに平壌で暮らしている。“理想の家族”の姿がそこにはあった。“庶民の日常”を映し出すドキュメンタリーの撮影のはずが、“北朝鮮側の監督”のOKが出るまで一家は繰り返し演技させられ、高級な住まいも、親の職業も、クラスメイトとの会話も、すべて北朝鮮が理想の家族のイメージを作り上げるために仕組んだシナリオだった。そこでスタッフは、撮影の目的を“真実を暴く”ことに切りかえ、録画スイッチを入れたままの撮影カメラを放置し、隠し撮りを敢行するが…。(6ページに続く)

2017.01.23