トークタイムの次は「Nice Guy」のミュージックビデオが上映された。WOONHAKは「ワイヤーを使用したシーンでアベンジャーズになった気分だった」そうで、LEEHANは「かっこいい表情やウィンクに挑戦して監督に褒められた」とのこと。忙しい合間をぬっての撮影はメンバーたちにとって良い思い出になったようである。
今回のイベントでは、『19.99』の先行配信曲「Dangerous」のパフォーマンスも披露された。人生で最も熱い年齢と言われる19.99歳の“分別のない姿”を盛り込んだこのナンバーは、グループの新しい方向性が見出せるウィットに富んだヒップホップだ。勢いのあるダンスとシンギングラップを目の前で体験したMCが「メンバーたちが親に内緒で外に出て踊って遊ぶ姿をそばで見ているような気がした」とコメントしていたが、会場に集まった記者たちも似た気持ちを抱いたのではないだろうか。
『19.99』のハイライトメドレーの映像が流れ、ショーケースはいよいよラストへ。最後は報道陣との質疑応答の時間が設けられた。なかでも「日に日に人気が高まっているが、実感するときはあるか」との問いに、SUNGHOが「最近ライブをするたびに僕たちのペンライトを持ってくださる方が増えています。それを見るたびに少しずつ認知度が高まっているのを感じて、良いステージをお見せしないといけないと痛感します」と、真剣な表情で語っていたのが印象的だったが、きっと他のメンバーたちも同じ思いだったに違いない。
3rd EP『19.99』は「Nice Guy」「Dangerous」以外の曲も「19.99歳を経験した方なら誰でも共感できる」(TAESAN)ものばかりだ。なかでも、別れを告げられた若者の心境を描いた「Gonna Be A Rock」や、20歳に対する思いを溶け込ませた「20」、大変な時期を経験している人々を“必ずしも完ぺきではなく、思い通りに進まなくても大丈夫”と慰める「Call me」といったナンバーは、上の世代にも懐かしさを感じさせる作品に仕上がっている。
JAEHYUN、TAESAN、WOONHAK が、ほとんどの収録曲の作詞・作曲クレジットに名前を連ねている本作で、ファン層は今まで以上に広がるはずだろう。2024年のアルバム販売数が100万枚を突破し、米ビルボードのメインアルバムチャートに2週連続でランクインするなど、絶好調のBOYNEXTDOOR。『19.99』と「Nice Guy」のヒットにより、6人の輝かしい未来がさらにまぶしく鮮明になることを期待したい。
(取材・文:まつもとたくお)