「合同インタビュー」映画『貴公子』主演俳優キム・ソンホ スタイリッシュなスーツ姿は「ピーキー・ブラインダーズ」を参考に

パク・フンジョン監督のディレクションにもあった、“清潔感のあるすっきりとした人物”を表わすスーツ姿も印象的だ。

「衣装を準備する過程では、『ピーキー・ブラインダーズ』を参考にしています。その作品をご覧いただくと、主人公が身に着けている衣装と貴公子の衣装は、帽子を被っているかいないかの違い以外かなり似通っていると思います。もう一つ新たに加える要素としてブーツを履くべきかどうかということを随分長く話し合いました。実際に映画のなかでは普通の靴になりましたが、長いブーツを履くかどうかとても悩みました。ブーツを履いた場合、運転をしたり走ったりするのに支障があるのではないかと細かいところまで議論したことを覚えています。あと、帽子も実際にかぶってみたり、かぶらなかったりしたりして悩みました」。

本作はアクションノワールジャンルという、闇の組織や犯罪が絡むようなものだが、撮影現場はどんな雰囲気だったのだろうか。

「撮影していくシーンはとてもシリアスなものでしたが、パク・フンジョン監督がとても愉快な方でしたので、パク・フンジョン監督が座っているモニター席はいつも愉快な雰囲気に包まれていました。撮影しているシーンはシリアスだけど、現場はとても愉快な空間になっていました。それに、パク・フンジョン監督自身がおもしろいことが好きで、ウィットに富んだ会話を好んでいたので、撮影現場の雰囲気はとても明るかったです。ただ、アクションシーンや危険なシーンを撮るときは、事故が起きないようにと、そのシーンに集中して現場にいるみんなが緊張している状態でした。それ以外の会話のシーンでは、ノワールジャンルだからといって、雰囲気そのものは暗く沈んでいるわけではありませんでした」。

撮影中のエピソードについて聞いてみると、彼は「一番記憶に残っているのは、実は高所恐怖症なのですが、橋から飛び降りなければならないシーンがあって、その日は風も強く吹いていたので恐怖を感じ、涙が頬をつたっていたことを覚えています(笑)」と思い返すことも。マルコを演じたカン・テジュとのエピソードについては、「カン・テジュさんは映画の冒頭からずっと追われている役だったので、走り続けるシーンをたくさん撮っている状態でした。一方、僕は気楽に車に乗って彼を追いかけてたのですが、とあるシーンから狭い路地に車が挟まってしまい、仕方なく車から降りて走って追うことになりました。カン・テジュさんは、約1か月間走り続けていたので、体力がすでについている状態だったのですが、僕はようやく走る演技をはじめるという状態だったので、ものすごくつらくて『どうしよう…』と思ってしゃがみこんでしまったことがありました。その時にカン・テジュさんが突然静かに僕のところにきて、『兄さん、これを飲んだら20分くらいもっと走れますよ』ってエナジードリンクを渡してくれました。実際にそれを飲んでみたら、本当に嘘みたいにこのあと20分くらいもう平気で走れそうだなと思いました」と話してくれた。

初主演映画に出演したことで感じたことついて聞いてみると、「スクリーンに自分の顔が大きく映し出されることが怖かった」という。

「正直に申し上げますと、スクリーンに僕の顔が映し出されるということに対して、俳優としてとてもプレッシャーを感じていました。僕の顔が大きく映し出されることが少し怖いという風にも思っていたんです。実はドラマを始めた時も、テレビのモニターに自分が映し出されているということに慣れるのに一年近くかかりました。でも今回、この映画を通して多くの方たちから応援をしていただき、そしてさまざまな助言をいただき、今後はスクリーンに映し出されることについて、もう少し気持ちにゆとりを持って臨めるのではないかなという気がします。そして、改めてスクリーンに映し出されている自分自身を見たときに、『あー、自分の中にこんな姿があるんだ。こんな面もあるんだな』ということを実感し、そして経験することができました。次回もし映画に出られることになった際には、今まで感じていた恐怖感やめまぐるしい状況に置かれているところから少し抜け出して取り組めるのではないかというような気がします。実は映画の舞台挨拶のとき、本当に気が気でなかったんですよ」。

2023年5月には日本で初めてのファンミーティングを開催し、今年4月5日と7日には大阪・東京で「2024 KIM SEONHO ASIA TOUR in JAPAN〈Color+Full〉」を開催。そのほか、「2023 ASIA ARTIST AWARDS BEGINNING CONCERT “男神”」にも出演をし、何度も来日している。そんな彼に日本の印象を聞いてみると、彼は「まずは、日本の方々特有のとても親切な話し方、そして親切な優しい微笑みに触れると、自然と心を開くことができるような感じがします。以前、ファンミーティングで日本に来たときに、少し旅行したことがあったのですが、とても楽しかったです。食べ物が本当に美味しいと思いましたし、かわいいものもたくさんあると思いました。それから、東京の街並みは韓国とあまり大きな違いはありませんが、名古屋に行った時に、これまで僕が映画やドラマで見てきた風景が目の前に広がっており、とても馴染み深く感じられて嬉しかったですし感動しました。あと名古屋で食べたひつまぶしは本当に感動的だったので忘れられないです」と語り、「また、名古屋でひつまぶしを食べたいです」とにっこりと微笑んだ。

最後に、彼は「『貴公子』という作品は、マルコという少年が謎の追跡者に追われるというアクションノワール映画となっています。貴公子をはじめとする謎の追跡者たちの正体が明らかになるにつれて、さまざまなことが巻き起こっていきます。決して難しくてダークな映画ではありません。皆さんに気楽に楽しんでいただけるウィットに富んだおもしろい映画になっていますので、是非、皆さんには気楽に映画館に足を運んでいただき、思いっきりこの映画を楽しんでいただけたらと思っています。大勢の人たちの努力、そして貴重な瞬間がこの映画には詰まっています。ぜひ、映画館にこの映画を観に行ってたくさん『貴公子』を愛していただけたらうれしいです」とメッセージを伝えた。

『貴公子』

STORY

この男、天使か、悪魔か-。

フィリピンで病気の母のために地下格闘で日銭を稼ぐ青年マルコは、韓国人の父の行方を知らない。そんなある日、彼の前に“父の使い”を名乗る男が現れ、マルコは韓国に向かうことに。飛行機の中でマルコが出会ったのは自らを“友達(ルビ:チング)”と呼ぶ謎の男“貴公子”。不気味に笑う貴公子に恐怖を感じ逃げるマルコだったが、彼の執拗な追跡と狂暴ぶりに徐々に追い詰められていく…。なぜ、マルコの前に突然、父親は現れたのか…? 謎の貴公子の目的とは…?すべてが明らかとなった時、マルコはさらなる危機に見舞われる。

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公開表記 : 4月12日(金)新宿ピカデリー ほか全国公開

配給:シンカ

<4月12日(金)よりキム・ソンホが着用した劇中衣装展の開催も決定!>
本作の公開を記念して、東京・丸の内ピカデリー、大阪・なんばパークスシネマの2会場にて、劇中でキム・ソンホが実際に着用した衣装展の開催が決定!キム・ソンホがパク・フンジョン監督とゼロから作り上げた“貴公子”像を演じる上で、欠かせないアイテムとなったのがスーツ。激しいアクションにも挑んだキム・ソンホの貴重なスーツを見られる貴重な機会をお見逃しなく!
<実施劇場・期間>
■東京・丸の内ピカデリー
実施期間:4月12日(金)~4月22日(月)
※鑑賞券をお持ちの方のみ入れるエリアでの展示となります。

 
■大阪・なんばパークスシネマ
実施期間:4月26日(金)~5月2日(木)
韓国ノワール界の巨匠パク・フンジョン監督とキャストたちの熱演光る話題作『貴公子』は
4月12日(金)より全国公開。

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2024.04.10