「取材レポ」ソン・シギョン×加藤和樹 韓国と日本アーティストの夢のコラボ ウィットに富んだトーク&癒やしの歌声で観客を魅了!


加藤和樹の話について、ソン・シギョンは「曲に出会って歌手になろうと思えることはかっこいいことだと思いました」とコメント。彼は「韓国の方が保守的というか・・・。『芸能人になれるのか?』という感じだったので、歌手になりたいということも考えたこともありませんでした。音楽は好きだけど真似して歌っていたくらい。それから、三浪して大学に入ってみたら、友達はみんな3年生になって留学とか行ったりしてるけど、僕だけが新入生。真面目に何をやって人生を生きていけば良いんだろうって悩んで、一番好きなのは何だろうってなったときに、歌が好きと思いました。でも、歌手って芸能人で有名な人だし僕にそれができないだろって思って、1年間頑張って結果が出なければ早く変更して勉強したり軍隊に行ったりしようと思っていました。でも、それがツイてるのか、良い曲に出会ってデビューできて、そこから23年経ちました」と歌手になるまでの過程を話した。
このテーマのトークを終えると、影響を受けた曲を披露する時間へ。ソン・シギョンは玉置浩二の「メロディー」を、時に儚く、時に力強く歌い、加藤和樹は歌手になってから「古き良き楽曲を知らない世代の人達にも届けたい」という思いにさせてくれたという、さだまさしの「奇跡」を披露。伸びやかな歌声を会場に響かせた。


この日は、ソン・シギョンが日本語の楽曲、加藤和樹が韓国語の楽曲を歌う時間が設けられ、ソン・シギョンはレミオロメンの「粉雪」を披露。キーが高いため、「この曲は一日に一曲しか歌えない」と話していたものの、伸びやかに広がっていく歌声を会場に響かせ、会場から大きな拍手と歓声が巻き起こった。続く加藤和樹はシン・スンフンの「I Believe」を披露。2010年に開催された日韓交流祭でも披露したことがあるという彼は、ピアノの伴奏にのせて美しい歌声を届けた。

「Voice」というトークテーマでは、話すときと歌う時の違いがほとんどないソン・シギョンについて、彼は「しゃべるときと歌うときに違いがない方が歌手にとっても良いし、わざわざ作った声だと長く歌えません。話すように歌って、歌うように話します」と語る。逆に加藤和樹は「演じている時は役の声というのがあって、普段しゃべっている声と違いますし、かといって無理やり作るのではなく、お芝居を演じている上で自然とそうなっていきます」と、ミュージカルと歌手との違いを話した。
そして2人の歌声をもっと堪能できるようにと、2曲ずつ披露することに。曲の説明をする際には、加藤和樹が「ポップスとミュージカルの発声の違いがわかるような曲を歌います」と話すと、ソン・シギョンは「僕はソン・シギョンの歌い方には違いがないんだって思うような自分の楽曲を同じ風に歌います(笑)」と、ウィットに富んだ発言で笑いを誘った。


加藤和樹は山崎まさよしの「ONE MORE TIME, ONE MORE CHANCE」をエモーショナルに歌い上げ、続けてミュージカル「フランケンシュタイン」の「君の夢の中で」をまるでミュージカルを見ているような臨場感溢れる歌声で観客を魅了した。
そして、ソン・シギョンはドラマ「星から来たあなた」OSTの「君のすべての瞬間」を披露。美しいストリングスとピアノのサウンドに溶け合う甘く柔らかな歌声は聴くものを優しく包み込む。続いて2006年にリリースした彼のヒット曲「通りで」のステージへ。ここでは客席にマイクを向けて歌わせ、最後は大合唱となり会場は一体感に包まれた。

2人の音楽性が凝縮された歌やトークコーナーの時間はあっという間に過ぎ、最後は2人でソン・シギョンのデビュー曲「僕に来る道」を披露することに。
最後の曲を披露する前に、ソン・シギョンは「(日本で活動するために)曲を作っていますし、曲ももらっているので、良いアルバムを作って、今年(コンサートを)やるんですよ。友達をつれて来てください(笑)」と今後の活動を伝え、「またこういう舞台がもっとあったら良いなって思います。韓国での活動もやってきますので、よろしくお願いします。YouTubeは見るだけでなく、『いいね』を押してくださいね」とイベントの感想を伝えた。
加藤和樹は「4月にはビートルズの舞台『BACKBEAT』、7月からはミュージカルの『ファントム』の上演があり、3月31日には韓国のヴァイオリニストのKoNさんとジョイントコンサートがあります」と今後の活動について話し、「こういった出会いというものに本当に感謝しております。僕のことを初めて見た方もいらっしゃると思いますし、こうしてシギョンさんと古家さんと出会えたことも嬉しいです。シギョンさんとまた同じステージに立てることを目指しながら今後も頑張っていきたいと思います」と、イベントの感想を語った。
そして、最後の曲を披露する時間へ。するとソン・シギョンが23年間付き合いのある古家にも歌に参加させようと提案。客席から「頑張ってー!」というエールが送られると、2人の歌手の間に立たされた古家は、最初のパートだけを少し歌い、温かい拍手が送られるなか逃げるように退場。その後は、加藤和樹とソン・シギョンが交互に歌い、心あたたまるハーモニーを会場に響かせた。この日でしか聞くことのできない、2人のコラボステージに観客からは大きな拍手が送られた。鳴り止まない拍手の中2人が固く握手を交わすと、2人は笑顔を見せながらステージを去り、「心が安らいで癒される」イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。

取材:kOREPO(KOREAREPORT.INC))

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2023.03.16