「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.241「『赤い袖先』の制作発表会を思い出す」

今から1年前の2021年11月11日、ソウルで『赤い袖先』のオンライン制作発表会が開催された。イ・ジュノ(2PM)、イ・セヨン、イ・ドクファ、カン・フンなど主演キャストが勢ぞろいしていた。

画像=MBC

ジュノの真面目さ

すべてはこの日から始まった。
『赤い袖先』がMBCで放送されるのに合わせて開かれたオンラインの制作発表会で、主役のイ・サンを務めるイ・ジュノは緊張した表情でこう語っていた。
「台本が面白すぎて出演を決めました」
「世孫(セソン/王の孫)時代の姿をたくさんお見せできるでしょう。また、青年になった正祖(チョンジョ)の姿も披露したいですね」
イ・ジュノにしてみれば、放送前で「視聴者からどのような評価を受けるのか」と不安が先行していたことだろう。
助け船を出してくれたのが、英祖(ヨンジョ)を演じるイ・ドクファだった。
「一緒に撮影をしながらジュノの真面目さに感心しました。彼は本当に良い青年です」
「ジュノの演技は学んで出来るものではなく生まれつきですね」
重鎮俳優にここまで言われてイ・ジュノもかなり自信を持ったことだろう。

比類なき時代劇

制作発表会の翌日となる11月12日からMBCで『赤い袖先』の放送が始まった。
当初は全16話の予定だったが、あまりに好評だったので1話分がプラスされて、全17話になった。
終わってみれば、『赤い袖先』には絶賛する声が次々に寄せられた。
イ・ジュノも百想芸術大賞・テレビ部門の男性最優秀演技賞を受けた。
私(康熙奉)も、これまで数多くの時代劇を見てきたが、『赤い袖先』が最高傑作だと思っている。
あえてイ・サンを取り上げた企画力、チョン・ジイン監督の創造的な演出力、チョン・ヘリ脚本家が作り出した巧みな物語性、そして、イ・ジュノをはじめとした出演陣の素晴らしい演技力……すべてが高度にマッチして比類なき時代劇が完成した。
この『赤い袖先』が世に出て1年。まだ見ていない人はむしろ幸いかもしれない。これから、凄く面白い時代劇を新鮮な気持ちで見られるのだから……。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2022.11.12