「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.230「『女神降臨』が韓国ドラマ界に降臨!」

現実に起こっていることを知りたければニュースを見ればいい。ドラマで見られるのは「現実に起こってほしい楽しみなこと」なのだ。それはおとぎ話でも構わない。むしろ、徹底的におとぎ話でいい。『女神降臨』はそんなドラマだ。

画像=tvN

メイクで別人に!
2020年12月9日から2021年2月4日まで韓国tvNで放送された『女神降臨』。原作はウェブ漫画だが、ドラマとして降臨し、とても面白い作品になった。
ヒロインは、ムン・ガヨンが演じる女子高校生のイム・ジュギョン。
彼女の悩みは容姿。強いコンプレックスを持っている。しかも、イジメにあってしまう。悲観した彼女は自殺しようとするが、なんとか助けられる。その相手が、チャウヌが演じるイ・スホだった。
生き返ったジュギョンは、引っ越しを機に、特別に覚えたメイクで別人のように変身する。彼女はまさに「不思議メイク」というマジックを手に入れたのだ。
こうして転校先で女神として颯爽とデビューしたジュギョン。しかし、そこにはイ・スホがいて、ひょんなことから「不思議メイク」を知られてしまった。
イ・スホにバラされたら生きていけない。強迫観念に陥ったジュギョンは、「何でもするから」と懇願して内緒にしてもらえることになった。

華の三角関係

イ・スホは、クールな優等生でスポーツが万能。そして、イケメンだ。性格は難しいところがあるが、ラブコメの主人公としては申し分がない。しかも、チャウヌの存在感が本当に素晴らしく、彼が演じるイ・スホに徹底的にこきつかわれることになってしまったのがジュギョンだった。
そんな主従関係に風穴を開ける人物が現れた。それが、ファン・イニョプが演じるハン・ソジュンだ。
彼はヤンチャな問題児。でも、とても気になる存在。イ・スホの対抗キャラとして最高レベルの高校生だ。
かくして、「華の三角関係」ができあがり、実態を知られることにビクビしていたジュギョンは、一方で胸キュンのシンデレラ気分を満喫していくのである。
まさに、ラブコメの王道を行く設定が興味深い。
ちなみに、韓国ドラマは邦題になるとサブタイトルが付いて、とにかく長くなる。書き手としても困ることが多いのだ。
けれど、『女神降臨』は原題も邦題も4文字だけ。それでいて、タイトルがドラマの内容にピッタリで、どこから見ても会心作だ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2022.08.27