「一度に7本の映画を撮っている印象だった」
俳優ソン・ガンホ、俳優イ・ビョンホン、女優チョン・ドヨンを1つの映画にキャスティングした、ハン・ジェリム監督の言葉だ。
ハン・ジェリム監督は20日午前、ソウル・ウェスタン朝鮮ホテルのグランドボールルームでおこなわれた映画「非常宣言」の制作報告会で、キャスティングについて「ソン・ガンホさん、イ・ビョンホンさん、チョン・ドヨンさんは韓国映画を象徴する方々で、キム・ナムギルさん、イム・シワンさん、キム・ソジンさん、パク・ヘジュンさんもまた、これまであらゆる作品で主演を務めてきた方々であり、誰でもキャスティングしたい俳優さんたちではないか」と語った。
「非常宣言」は、豪華キャストが際立つ作品だ。イ・ビョンホンやチョン・ドヨン、キム・ナムギル、キム・ソジン、パク・ヘジュンら韓国映画界を代表する俳優が共演した。ハン・ジェリム監督は、「撮影しながら、いくつかの映画を撮っているように混乱していた」とし、「撮り終えて確認してみたら、やはり貫禄と優れた演技力に感嘆した。演技を見るだけでも、楽しく見ることができると思う」と自慢した。
このようなキャスティングを完成することができたところには、ハン・ジェリム監督に対する信頼が大きかった。「優雅な世界」「観相師 かんそうし」に続き、3回目のタッグを組んだソン・ガンホは、「ハン・ジェリム監督の新しい映画に対する執拗な探求心を尊敬してきたが、『非常宣言』は災難の印象があまりにもリアルで鮮やかだ」とし、「災難映画は多いが、この映画は災難を通じて普段あまり感じられなかった家族、隣人、共同体に対して考えさせる作品だ。災難部分が洗錬されて、おとなしめに表現されているのがありがたかった」と出演した理由を明らかにした。
ハン・ジェリム監督と初めて仕事をしたイ・ビョンホンは、「もともと監督の前作を見て、必ず一度ご一緒してみたいと思った」と明かし、「シナリオを読み始めたら、一気に読ませるほどに緊張感と楽しさがあるシナリオだった。災難映画と言っても、単純にビジュアルやサスペンス的な部分だけではなく”人”が見える、考えるように作られたストーリーが良かった」と語った。
チョン・ドヨンは、「シナリオも良かったが、監督の意図が良かったように思う」とし、「様々な災難を経験して傷を受ける人々、その人々の慰めになれればという言葉に同意して出演を決めた」と話した。
「非常宣言」は、ハン・ジェリム監督の演出復帰作として、「第74回カンヌ国際映画祭」アウト・オブ・コンペティション部門に招待された作品だ。ハン・ジェリム監督は、10年前にオファーを受けた作品であることを知らせた。彼は、「あの時は気軽に考えられなかったり、実は個人的に飛行恐怖症がひどくて、飛行機の中に閉じ込められている状況で人間が災難を経験するという恐怖が、これまでの10年間で私にずっと残っていて、撮りたいという考えがまず浮かんだ」とし、「またこの10年間、不幸にも韓国社会で様々な災難があったがその胸が痛くなる災難を見守って、伝えたいメッセージが生じたように思い、この作品をしなくちゃいけないと心に決めた」と、演出に至った経緯を明らかにした。
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