俳優たちに対する称賛も惜しまなかった。ジュノとイ・セヨンについては「両俳優とも簡単に満足しない俳優たちだ。良く気配りし、相手との演技の調和を誰よりも重要に考える人々」として「監督の立場で会える最高の組み合わせだった。特にメロ物では両俳優の調和とコンビが重要だが、セヨンさんとジュノさんはリハーサル中も絶えず相談し、どのように演技するかについて相手と合わせる。もちろん、その中にはとても珍しいくらいのいたずらも混ざっているので、しっかり気を引き締めていなければならなかった。笑いすぎてぼうっとしてしまったことも多かった。ほんとにあんなにふざけていても撮影に入るとサンとドクイムになって猛烈に集中する姿にいつも感嘆した」と話した。
「コミカルな姿とは違って、セヨンさんは絶対に台本を手から離さない。いつも持ち歩いて何かをたくさん書き留め、リハーサル中もずっとメモをしていた。自ら演技に満足できなければ、私がOKをしてもまた撮りたいと必ず要請する。理由が明確で新しいものを見せたいと思う俳優の要求を拒絶する監督は多くはないと思うが、他の俳優たちと違ってモニタリングは別にしない。最善を尽くして表現し、監督にできるだけ多くの選択肢を与えてくれる演技者だ。時々、勤務時間に追われてセヨンさんがまた撮りたそうなときに、やむを得ず素通りしなければならない瞬間が一番残念だった」と語った。
続いて「ジュノさんは現場では相当なことがない限り台本を見なかった。いつも完ぺきに熟知しようとするスタイルだったし、すべてを準備して現場に現れる。セリフを覚えるのが難しいと話しながらも長いセリフを詰まらることなく話しながら、感情演技も繊細にするのを見ているとすごいと思う。そして撮影が終わったらいつも尋ねる。本人の演技がどうだったのかについて。とても良かったし、今日このシーンはとても強烈だったし、先ほど撮ったあのカットは夢にも出てきそうだと話してもいつも残念な目つきだった。私が何を逃したのか、編集室に行ってまた確認させる演技者だ」と話した。
「赤い袖先」を自分にとって宝物のような作品だと表現したチョンPDは「緑色の夏の光の中を朗らかに飛びまわったドクイムを記憶してほしい。そんなドクイムを決して忘れなかった。雪が降る冷たい空を見あげていたサンも記憶してほしい。ふたりは結局幸せに再会するので、あまり悲しがらないでほしい。たくさん愛してくれて感謝する。みなさんがサンとドクイムを愛した以上に、私もふたりを愛した」と話した。