「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.195「スケールが大きいパク・ソジュン」

人生のスケール

『キム秘書はいったい、なぜ?』では、役柄が一転する。パク・ソジュンが演じたヨンジュンは財閥の副会長だ。ルックスは抜群。たくさんの外国語をネイティブのように話し、頭の中に超高速のコンピュータを持っているかのように計算がメチャ早い。こんな超エリートなのに、極端なナルシストで、世間の常識とは完全にかけ離れている。それもまた、スケールが大きい役柄だった。
そして、『梨泰院クラス』で演じた主人公パク・セロイは、すべてを失って繁華街の梨泰院に流れ着いてきた男だ。しかし、ただ者ではない。父の復讐を果たすために、巨大外食産業の会長に果敢に挑み、自ら梨泰院を「自分の街にしてみせる」という野望を持っている。
その野望を叶えていく過程が『梨泰院クラス』の醍醐味だった。

彼は志を同じにしている仲間と果てしない成長に取り組んでいく。そんなパク・セロイの持つスケールというのは、混沌とした現代社会に一番必要なものかもしれない。
このように、パク・ソジュンが演じた役柄を順に語っているだけで、何か大きなものに包まれているような迫力を感じる。結局、パク・ソジュン自身が人生のスケールの大きさを表わしているかのようだ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2021.12.25